構造設計は、構造計算して構造図を書くことだけではない。
構造図で指示した内容が実際に現場できちんと行われるようにすることも必要になる。
これが構造監理である。
構造監理は、建物が設計図通りに建つようにするという目的だけでなく、建物の構造安全性能を施主に対して保証するための手段でもある。
現在のところ、日本の木造住宅の施工現場では、構造監理がきちんと行われていないことが多々あり、これもまた欠陥住宅になりうる問題をはらんでいる。
しかし、木造住宅の設計が構造的知識を持たない者によってなされている限り、きちんとした構造監理が行われるはずも無い。
構造体の施工の良し悪しは、施工者の良心による構造的フォローに委ねられているというのが現状である。