建築基準法が改正され、「性能規定」という言葉がよく聞かれるようになった。
性能規定では、定められた以上の性能を保有していれば、その仕様は問われないことになっている。
ところで、性能とは一体何だろうか。
「性能」の一つは、住宅として最低限必要な性能のことである。
例えば、地震や風を受けた際に、家の内部にいる人や外を歩いている人、あるいは隣の家に危害を及ぼさないようにするなどといった、社会上要求される性能であり、また各個人の感覚によっても違うが、建築基準法で定めているのはこの性能である。
もう一つは、住む人間が十分だと思える性能である。
例えば、床のたわみは多少あってもよい、いや1mm以下におさえてほしいなどといった、使用者が決める性能である。
この性能は使用者の主観による面もあるので、性能の決める際には建物を使う人と協議して決めることになる思われる。
この「住む人が十分だと思える性能」を決定する際には、お互いがよく話し合って、なるべく具体的な性能の基準値を決めておくことが望ましい。
例えば、「丈夫な家」や「大地震が来ても大丈夫」といった抽象的な言葉では、お互いが頭の中で描いているイメージが違っているかもしれないのである。
この性能は、いわゆる「欠陥住宅」問題や「住宅性能表示制度」とかかわってくることになる。
住宅性能表示制度」は2000年10月より本格的にスタートし現在に至っている。
この設計法では地震・風に対する建物の耐力・変形が詳細に求められ、住宅の性能を数値で具体的に表せるようになった。