木造住宅の耐震性能について「兵庫県南部地震」であきらかになった構造性能確保における問題や、最近の研究の成果をふまえて、「木造住宅の耐震診断と補強方法」の改訂作業が続けられていた。このたび改訂委員会における編集作業が終了し、いよいよ一般に公開された。
テキストの分厚さや、一般診断、精密診断1、精密診断2等における難解さに驚かれた方もいるかもしれないが、そのぶん、新しい診断法では従来の診断法に比べて「より正しい診断」を下すことができるようになり、また、詳細な診断や耐震補強が可能になっている。
そこで改訂された耐震診断の概略についての紹介と、簡単な解説を行っていくものである。
木造住宅にかかわる方々は、来るべき南海・東南海地震等の大地震に備えて、耐震性に優れた木造住宅のストックを増やすべく、今回改訂された耐震診断・補強をより積極的に行っていってほしい。
この改訂の真の意味はいろいろとあるが、ここで声を大きくして言える事は「今まで行って来た診断法は、かなりあいまいであったと言え、真の安全を確保したいのであれば、精密診断1以上のレベルで行う事である。もしもこの診断法以前の診断で安全であるとされた木造住宅でも2004年7月の改訂版ですると危険となる可能性もありうると言う事で、この事をしっかり認識して取り組む必要がある。」ということである。