構造材が腐ったり、食べられてしまったりしたら、どんな家もつぶれてしまう。既存建物の構造性能を大きく左右する要素の一つが老朽化の問題であり、この問題を抜きにして既存建物の性能を評価することは出来ない。
現在のところ、木材の老朽化の簡単で確実な調査方法は探針を突き刺す方法ぐらいしかなく、非破壊で確実な検査のできる方法の登場が待たれる。
その他には老朽化が外部へ及ぼす影響を見つけることや、老朽化の要因を考えて、外観から状態を推測する方法もある程度は有効であると考えられる。
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また、新築・改修時において適切に腐朽等に対する対策を行っていくことが、今後の住宅の性能を維持する上で重要である。
上記の様な予防を行なっても、完全に被害を防止することは出来ない可能性がある。例えば蟻害について言えば、近年では乾燥に強い蟻も存在するし、薬剤処理を行なった後でも別のルートから侵入する可能性もある。
建物の健全性を保つためには、上記の予防策以外に、定期的(5〜10年程度)なメンテナンス(床下点検等)を行なうことが望ましい。
末長く住んでもらうためには、この様に床下点検等のメンテナンスが行なえるように設計・配慮することが新世代の設計といえるのではないだろうか。