地震水平力によって耐力壁は剛体的回転をし、柱に浮き上がり力が生じる。
その際、長期軸力以外に上階からの押さえ込み力、すなわち柱カウンターウェイトが発生する。
本論では実験により、そのカウンターウェイトがどの程度存在するのかを、柱頭の圧縮軸力及び、梁の浮き上がりを計測することにより推定した。
その主な結果は以下の通りである。
@長期軸力に比べ非常に大きな押さえ込み要素があることが確認された(長期軸力の約4〜7倍)。
A今回の実験のように継ぎ手が緊結されていない場合、その継ぎ手の方向(オス側・メス側)がカウンターウェイトに影響していることが確認された。
No.4-1試験体で見られたように、耐力壁が直下にない梁を、継手を介して浮き上がらせ、カウンターウェイト負担領域を増やすような設計を心がければ、効率よく水平耐力の向上を図ることができると思われる。