軸方向についてはほとんど変化はみられなかった。
鉛直方向は、梁継手オス側のみが浮き上がる場合最大30mm程度のほぞの浮き上がりが見られた(写真27・28・30など)。
しかし、試験体No.4-2の押し載荷の場合に、メス側も押し上げられる現象が見られた(写真23)。
柱頭ロードセル→柱のみの状態から、上棟後、積載荷重載荷後までの圧縮軸力の推移を見たところ、柱によっては荷重が載った後の方が軸力の小さいものがあった(別項参照)表3。
柱の施工精度によって、柱への軸力の負担がばらつくことがあることが確認できた。
また、今回の実験において柱ロードセル値はグラフの状態や計測値から見て、正確に計測値が出ているかどうか疑わしい場合が多々あり、その都度判断し、補正を行った(別項参照)図20〜22。
最大変位時に達する前にロードセル値が下がりだしたものは、変位増加やめり込みによるロードセルの接触不良が考えられる(柱頭ロードセル計測部→写真5)。
接触の加減などで正しく計測されていないものがあったり、ジャッキの抵抗などがロードセル値に含まれている可能性があるので、今回の実験では実カウンターウェイトを考える場合、ロードセルの計測値は参考程度にし、梁浮き上がり範囲から推定したカウンターウェイトを実験値とすることにした。
床浮き上がりからカウンターウェイト値を計算するとき、変位計値をそのまま用いると、浮き上がり範囲が過大に算出されるおそれがあり、また変位計の位置から柱が回転するだけで変位計値が若干増えることから、変位計で5、6mm以上値が出ているものを浮き上がりと判断してカウンターウェイト値を計算した。
変位計は土台部に固定しワイヤーで梁とつないで計測している(写真4、5)。
変位量測定位置および測定器位置による補正計算法は別項参照図11に示す(後に図面で示す梁浮き上がり量はこの補正をしていない値である)。
土台水平変位→ほとんど変化はなく、1mm弱の変位しかみられなかった(写真4)。
床ねじれ変位→今回は変位制御載荷としたため、床のねじれは見られなかった(写真6)。
梁水平変位→変位制御のため、載荷方向と垂直方向の大きな変位は見られなかった。
鉄骨架台鉛直変位→鉄骨架台のたわみは1mm未満であることが確認された。