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杉の板材を利用した水平構面の性能実験


@はじめに


杉板材による有効利用がさけばれて久しいが、その有効利用方法は未だ道なかば状態といって良いと思われる。

各企業や各林業組合・製材企業等において、色々と相違工夫され開発されている技術はどれもクローズ的技術であり、オープンなシステムとしての杉の板材利用がされていないのが現状である。

杉の板をどのように有効利用すればいいのか、分からない人が多いのが現状であるが、それらを技術的に補い、杉の本来の良さを活かすようにしなければ構造用合板の性能や、コストに対して、太刀打ちできないのである。

木造住宅設計の現状では、杉の厚板による床や屋根面は、本実加工された杉の厚板に隠し釘で止めるやり方がほとんどであり、今回はその性能も合わせて実験し、その性能を把握することとした。

この実験によるシステムは、当事務所がオープンな技術として、林業の活性化を願ったもので、その手法は杉板と流しダボにより水平構面を構成するもので、工夫次第で構造用合板に匹敵する性能を持たせるべく、その性能を検証実験したものである。

杉の厚板を使用するの床や屋根面等の水平構面であれば、今施工している構法ではどの程度の構造性能が必要かを理解することが重要であり、杉の特性を理解し、危険な使用方法をしなければ杉だって十分に使えると思われる。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003