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ちはや園地整備(14)構造概要
構造概要
本施設は、大阪府の最高峰である金剛山の山頂で、標高千メートルで計画された野外休憩施設であり、この施設の基本的な架構デザインは、活齔F建築設計事務所 笠原氏の提案で行なわれ、このような今までにないと思われる木造空間を、地域材の小径木利用の新しい提案として示され、その構造担当として当事務所が参画したものである。
このような施設が建設されるにあたり、丸太材の加工技術が卓越した施工者の技術がなければ、成し得なかったと思われるほど難易度の高い架構であったと思われる。
今回の使用された材料は、主要構造材のほとんどが地元大阪府の河内長野産材の桧であり、元口直径20cm程度のごく一般的といえる材を使用した。
そのような小径木ともいえる材を使用して有効スパン13m、最大支点間距離20mの、今までにあまり例のない空間を構成している。
大阪府河内長野産の桧が、工夫次第で大空間にも十分構造的に使用できる事が実証できたと言える施設でもあり、日本各地の無名産地の杉・桧が大きな可能性をもっているといえ、その例として本施設は、杉や桧の小径木が、集成材や鉄骨・鉄筋コンクリート造と同様に、自然条件の厳しい所でも建設可能となったといえる。
施設概要
施設名 : ちはや園地
場所 : 大阪府千早赤坂村 金剛山 山頂(標高 約1000m)
規模 : 木造平屋建て独立上屋 延べ床面積 約160u
意匠設計・監理 : 活齔F建築設計事務所 /担当 笠原 啓史
構造設計・監理 : 田原建築設計事務所 /担当 田原 賢・村田 幸子
施工 : 大橋建設梶@ /担当 楠 雅行
木工事 : 甲村木材梶@ /大工棟梁 水谷 保夫
構造形式
上部架構 木構造
基礎形式 直接基礎布基礎 鉄筋コンクリート造
使用材料
のぼり梁 桧 末口180φ・末口150φ(地元 大阪府河内長野産)
小屋束 桧 末口200φ・135角(地元 大阪府河内長野産)
ウェブ材 杉(Jパネル) 1m×2m版 (協同組合レングス製)
(国産杉を利用した構造用パネル旧38条認定品)
母屋 桧 末口165φ(地元 大阪府河内長野産)
リング梁 杉 12×270 10枚重ね(奈良県 吉野産)
方杖・垂木 桧 末口150φ(地元 大阪府河内長野産)
水平構面 水平ブレース 12φ JIS製品
接合金物 Zマーク金物等
建設現場までの経路
・JR大阪で新今宮まで環状線で約20分。南海高野線に乗換
新今宮から河内長野まで急行で約40分程度で河内長野着
河内長野駅から金剛山ロープウェイ行きの南海バスで約40分でロープウェイ登り口着
・又は近鉄南大阪線阿倍野から富田林まで急行で約30分程度
富田林駅下車金剛バス乗り換え
千早ロープウェイ行きの金剛バスで約40分でロープウェイ登り口着
注)なお、金剛山ロープウェイと千早ロープウェイは同じバス停です。
車での見学については、吹田ICから車で美原北ICで降り、国道309号線で金剛山方面に約1時間30分程度です。
ロープウェイの上り口附近に有料駐車場(600円/日)があります。
ロープウェイにて金剛山頂へ約10分でロープウェイ金剛山頂駅から建設地までの距離:約400m(徒歩6分)
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