レジオネラ症
厚生労働省が本格的なレジオネラ症対策に乗り出したのは、2002年7月、宮崎県日向市の温泉施設「日向サンパーク温泉」で発生したレジオネラ属菌の集団感染により、7人が死亡、感染者が200人を越えたことがきっかけでした。
温泉好きにとって、この問題は見過ごせない問題です。
レジオネラ属菌とこれによって発症するレジオネラ症について簡単にまとめてみました。
1.レジオネラ属菌とは?

レジオネラ属菌とは自然界の土壌や川・湖に生息する細菌のことで、現在40種類程度が発見されている。
レジオネラ属菌は、冷却塔や浴槽水等の循環利用する人口水環境で、20〜45℃の水温のもとで最も繁殖する。
これが体内に入ると、場合によっては死亡するレジオネラ症を引き起こす。
2.レジオネラ症とは?

レジオネラ属菌が原因で発症する感染症で、特に高齢者、乳幼児、病人など、細菌に対して抵抗力が弱ま っている人がかかりやすい。
感染経路は、レジオネラ属菌を含んだエアロゾル(霧状の水滴)を肺に吸い込むと感染すると言われている。
レジオネラ肺炎に罹った場合、適切に処置しないと6〜7割が死亡する。

レジオネラ症は、レジオネラ肺炎(肺炎型)とポンティアック熱(非肺炎型)とに分けられる。レジオネラ症は、人から人へ感染するものではなく、共通の感染源から複数の人が感染し発症するという特徴があり、また、感染した人がすべて発病するとは限らない。



3.私の対策は?

全部が有効か、正しいか分かりませんが、私が気をつけている点は次の通りです。

(1)源泉100%、掛け流しの温泉をできるだけ探し、そこで入浴する。

(2)しかし、私が行くことが多い日帰り温泉施設や関西の旅館(立ち寄り湯)は、ほとんどが循環湯.。
  そこでは、「エアロゾル・飛沫」が口に入らないように、次のことを意識している。
  @飛沫を浴びる打たせ湯を浴びない。
  Aスーパ銭湯等に多い、飛沫が飛ぶ強力ジェットバスに入らない。
  B温泉が口(肺)に入らないよう意識して入浴する。

(3)入浴する温泉施設がどのくらいのレジオネラ対策を行っているか、表面上では分かりにくい。
   そこで間接的な判断材料として、次の点に注意する。
   @長時間営業をしていないか。(清掃はどうなっているのか?)
   A決まった休館日があるか。
   B混雑していないか。(1日1000人入浴は考えただけでゾッとする。)

    (死亡のケースは7割がスーパー銭湯、大型温泉施設で、@〜Bが該当することが多い))
   
   C館内が雑然としていて、清掃が行き届いていない。
   D脱衣室、浴場の清掃が行き届いていない。
   E温泉法で定める温泉成分・禁忌等の表示がなされているかどうか。(順法精神)

4.最近のレジオネラ症感染事例は?


(1)2000年6月、茨城県石岡市の総合福祉センター内の入浴施設で42人感染、3人死亡。管理者を業務上過失致死容疑で書類送検。

(2)2002年1月、東京都板橋区保健所は、板橋区内の銭湯を利用した男性(77才)が、入浴中に意識不明となり、その際、浴槽の薬湯を飲んでしまい、その後、レジオネラ菌による肺炎で死亡したと発表。

(3)2002年7月、宮崎県日向市の温泉施設「日向サンパーク温泉」でレジオネラ菌の集団感染で7人が死亡、感染者は200人以上にのぼった。

(4)2002年8月、鹿児島市東郷町の温泉利用の入浴施設で7人感染、1人死亡。
上記図は「(株)日向サンパーク温泉HPから