南東北・雪見露天風呂 列車の旅
2004.3.1(月)〜3日(水) 

2月28日、奈良から東京へ車で移動して実家に到着。
3月1日、東北の雪見露天風呂を目的に、山形新幹線に乗車し、温泉情緒の東日本第一位、銀山温泉(山形県)に向った。評判どおりの大正ロマンを感じさせる温泉街だったが、例年の三分の一の降雪量のため、雪に覆われた風景でなかったのが残念だった。宿泊した銀山荘では、不十分ながら雪見の露天風呂を味わえた。
翌2日、ローカル線(陸羽東線)に乗って、豊富な湯量とバラエティに富む泉質により、東北一の温泉郷と言われる鳴子温泉(宮城県)に向った。ここで温泉ガイドブックに必ず紹介される共同浴場・滝の湯に入浴後、宿泊する東鳴子温泉旅館大沼にタクシーで移動した。旅館の8種類の風呂のうち、名物の露天風呂・大浴場など4種類に入浴した。
翌3日、深夜から翌朝にかけて降雪があり、朝起きたら一面の銀世界。
朝食後、雪の降る中を最寄の駅・鳴子御殿湯駅まで歩き、再び陸羽東線に乗車、日本三景の松島を遊覧船で観光後、仙台に出て東北新幹線で帰路についた。
全走行距離:列車利用
東京駅出発
銀山温泉
山形新幹線・東京駅10時32分発つばさ109号は、福島駅で連結されていた東北新幹線やまびこ109号から切り離される。
列車が福島駅から西行し奥羽山脈に入って行くと、車窓から雪景色が見えてきた。
大石田駅13時53分着。多くの乗客が下車するが、すべて銀山温泉に向う。
銀山温泉に向かう途中の冬景色
出迎えのマイクロバスのドライバーが、少し遠回りして、徳良湖(トクラコ)という小さな湖に寄ってくれた。ここは白鳥の渡来地。自然の中で白鳥を見るのは初めて、感激・興奮した。
山形県の代表的な民謡「花笠音頭」は尾花沢市が発祥地だ。大正8〜10年にかけて灌漑用のこの湖の築堤工事の作業唄(土搗き唄)から生まれ、その即興の唄に合わせて各集落から集まった人々がおのおの頭にかぶっていたスゲ笠を廻して踊り、その後、「八木節」等をヒントにして振り付けられたと言われている。
雪を被った木造3層・4層の旅館が立ち並ぶ温泉街に加えて、人気番組で世界中でもで放映されたNHK「おしん」の舞台、カリフォルニア出身でテレビコマーシャルにも出演した金髪女将・ジェニーさんと話題にも事欠かない人気の温泉だ。

16世紀に銀鉱が発見され、
江戸時代には公儀山(幕府直轄の鉱山)として栄えた銀山。現在は木造三層四層の木造旅館が、静かに流れる銀山川をはさんで立ち並ぶ。温泉街には石畳が敷かれ、ガス灯がともり、大正ロマンを平成の世に伝えている。特に雪景色がしっとりと似合う温泉街は、数多くある温泉地の中で、「東の温泉情緒No1」に選考されている。(日本経済新聞社 魅力の温泉66)
能登屋は国の登録文化財に指定されている。
庇に雪が積もる景色でなくて残念
金髪女将ジェニーさんの「藤屋」も見える
街角で見かけた「おしん」のポスターと「おしんコケシ」
地元尾花沢市特産のスイカのコマ
宿泊した銀山荘
部屋の窓から見た銀山川
露天風呂からの雪景色
雪を見ながらぬる目の寝湯に浸かる。快かった。
夕食・朝食は部屋食でなくて、館内料亭の個室でいただく。私はこちらの方を好む
畳に可愛いダイニングテーブル。膝や腰に障害を持つ我々高齢者にはありがたい。
「懐石料理」と「山主御膳」のどちらかを予約時に選択できる。
地元食材を使った郷土料理が主体の後者を選んだ。
山形名物の芋煮
夜食代わりにデザートが出された。
翌朝6時の露天風呂。前夜の雪が積もって文字通りの雪見露天風呂が実現!、
大石田駅から山形新幹線の終点・新庄駅へ。
そこからこの陸羽東線で鳴子に向った。
帰宅後、銀山荘から宿泊御礼のメールをいただいた。こまやかな心遣いだ。
これに関連して、予約時にパンフレット送付を依頼したとき、それだけが封筒に入っている愛想のないケースがよくあった。旅館としては印刷物でもいいから一筆同封すべきだ。
二日目
車中からの雪景色
鳴子温泉
鳴子温泉郷は、鳴子温泉、川渡温泉、東鳴子温泉、中山平温泉、鬼首温泉郷(鬼首温泉、吹上温泉、轟温泉、宮沢温泉)など、JR陸羽東線の川渡温泉駅・鳴子御殿駅・鳴子温泉駅・中山平駅の4駅に点在する温泉の総称である。
奥州三名泉の一つ、鳴子温泉郷(他に秋保温泉、飯坂温泉)は、湯量・泉質の多さを誇る。
特に泉質分類11種類の内、9種類の温泉を湧出、さらに源泉370本を有する湯量の豊富さ、バラエテイに富む旅館・ホテルがあり、草津・別府と肩を並べる日本有数の温泉地と言える。
温泉街、大きな旅館も見かけた。
鳴子駅から徒歩5分、外湯「滝の湯」は温泉通に知られた共同浴場。150円の安さだ。
情緒ある滝の湯の浴室。手前が高温泉、向こう側にぬる湯。
白濁した湯は、すぐ近くの温泉神社の源泉から引かれて、もちろん掛け流し。
鳴子温泉からタクシーで約1、000円。鄙びた東鳴子温泉の「旅館大沼」に宿泊
家庭的な雰囲気のロビー
2種類の源泉、8種類の風呂があるが、これは車で2分(送迎)の山荘内にある名物貸切露天風呂「母里(もり)の湯」。
三日目
宿の車の送りを断って、最寄の駅「鳴子御殿湯駅」までの雪道を歩く。
日本三景・松島
陸羽東線・東北本線を乗り継いで約2時間、松島へ11時前に到着。タクシーで松島を一望できる展望台に行き、それから必見の国宝・瑞巌寺とが五大堂を観光、その後観光船で松島を巡った。
松尾芭蕉が、あまりの景観に「松島やああ松島や松島屋」と詠った(真偽は定かでないようだが)松島は、日本三景に相応しい見事な景色だった。
828年・慈覚大師創建の国宝・瑞巌寺現在の建物は慶長14年(1609)、伊達政宗公が再建したもの。
坂上田村麻呂ゆかりの五大堂
観光船で湾内クルーズ、約1時間1,400円
餌を求めてカモメが船を追う。
260余りの島々にはすべて名前がついている
仙石線で仙台へ、30分ほどで到着
土産の「笹かまぼこ」を買って、仙台発15:08発「やまびこ118号」に乗り、東京駅、17:24分に到着した。
東鳴子温泉