12月中旬、2泊3日の行程で、未だ入浴していない石川・富山両県の温泉地に向った。
本来、北陸で行きたい温泉は、富山県/トロッコ列車で行く黒部峡谷の黒薙・名剣・鐘釣温泉や船でしかいけない大牧温泉など。
しかし、冬期はトロッコ列車が運休なので、これらは後回しにして加賀温泉郷を中心に周ることにした。
石川県にある山中・山代・片山津・奥津の4湯を総称して加賀温泉郷と言う。一昔前は、これに福井県の芦原温泉を加えて、慰安旅行や企業主催の招待旅行のメッカで、歓楽指数が高い温泉地だった。
1日目 (2004.12.13日)
朝7時自宅を出発、京奈和・京滋バイパス・名阪高速を利用、米原ICで北陸自動車道に乗り換える。
米原IC付近、右は名古屋方面、左は福井方面の標識。
北陸自動車道南条SAで休憩。
南条町は、全国シェア70%の花ハス生産地。
海に近い柴山潟畔に大型の旅館が立ち並ぶ。湖に浮かぶ浮御堂、70mの大噴水、遠くに見える銀嶺の白山が開放的な景観を造る。宿泊施設12。
懐かしい銭湯の雰囲気・深めの浴槽。
再び北陸自動車道に乗って金沢へ。
詩人・小説家の室生犀星ゆかりの犀川を渡ると市内に入る。
● 兼六園
40年ぶりにやってきた兼六園、光陰矢のごとし!
水戸偕楽園、岡山後楽園と並ぶ日本三名園の一つである兼六園は、もともと金沢城の外郭として城に属した庭であったが、歴代加賀藩主により修復や新たに造営されてきて現在の形となった。
廃藩後、明治7年(1874年)に一般開放され、現在、文化財保護法により特別名勝に指定されている。
風情ある町並、茶店通
金沢城。
加賀100万石初代加賀藩主は「槍の又左」こと前田利家。
唐崎松の雪吊り。降雪も近い。
金沢の銘菓(いい値段だった!)
昼食後、山代温泉経由で今夜の宿泊地・山中温泉に向う。
1,300年の歴史を誇る山代温泉は加賀藩の藩湯で、総湯(浴殿)を取り巻くようにして旅館・ホテルが立ち並び、これを「湯の曲輪」と呼ぶ。宿泊施設22軒。
旅館街の中心にある足湯
灯篭も冬支度、雪が降ったら風情が増すだろう。
ダイナミックな垂れ幕の
山代温泉総湯(浴殿)
1階には女性浴室・売店(ここの温泉玉子が名物)と喫茶室があり、2階に男性浴室がある。
浴室は直径6.5mと5mの2つの大型円形の浴槽があり、片方は深めになっている。
外湯としては国内有数の広さだ。
1300年前、僧行基の開湯と伝えられる山中温泉は、南北に流れる大聖寺川の清流、鶴仙渓に沿って大小の旅館が点在している。宿泊施設21ヶ所。
宿泊した山中温泉の最奥部にある百峰閣。
部屋数は58室。宿泊料金は15,800円(平日、2人宿泊の1人料金))。インターネットで申し込んだので館内使用の1,000円の金券がついた。(2人で2,000円)
踏み込み、次の間と合わせて19畳の部屋。広い!
部屋食を断わり、畳にテーブルの食事処で夕食。
海の幸中心の料理。
石川県一番の広い露天風呂、ここは自家源泉を持つ。
2日目 (12月14日)
露天・檜の寝湯。
湯がぬるめでゆったりと入浴でき、大変気に入った。
旅館をチェックアウトしてから、少し離れた温泉街に車で向った。
室生犀星
金沢市内
右は有名な徽軫(ことじ)灯篭。
加賀温泉郷では最も情緒ある温泉街。
重厚な総湯
山中座。 週末には芸妓連の「山中節四季の舞」が観賞出来る。女性用の総湯はこの左手にある。
山中温泉から北陸自動車道に出て、金沢市で昼食(評判の金沢の回転寿司)。
その後、能登半島の西側を走る能登道路(有料)を利用して和倉に向う。
途中、ドライブ好きにはたまらない千里浜(ちりはま)なぎさハイウェイのドライブを楽しんだ。
● 能登道路(有料)
海に沿って走る快適な能登道路
道の駅・高松
道の駅・高松で休憩。そこの砂浜を走り回った愛犬アル(アルベール)。柴犬・6歳。
東京への帰郷・温泉旅行も常に一緒。主人と同じ無類のドライブ好き。全く酔わない。
● なぎさハイウェイ (石川県)
細かい砂が海水で固められてバス・トラックでも走れる自然の簡易舗装になっている。12月の平日なので走行する車も少なく、こんなノンビリした風景になったが、シーズンは駐車スペースに車を停め方が安全。
能登半島の西、羽咋市(はくいし)の海岸沿い、波打ち際をドライブできる砂浜が5kmほど続く。「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」だ。
シーズンには貝焼きを食べられる店が並ぶ。
わずかな凹凸があるが車輪が沈むことはない。(但し出入り口部分のみ注意)
塩分が付着するので、帰宅したら車底を含めて洗車しておこう。
窓の下は波打ち際。
延々と続く砂浜道路。
波に打たれながら走りたい誘惑に駆られたが、塩による腐食を考えて思い止まった。
金沢市から能登半島を南北に貫く全長約83km、日本最長の一般有料道路で、料金が低めに設定されている。道路の南半分は、日本海の白波が洗う海岸沿いを走り、快晴の日に走ると爽快そのものだ。途中、千里浜ICで下りて「なぎさハイウェイ」の5kmを走るのがお薦めコース。日本の道100選にも選ばれている楽しい道だ。
なぎさハイウェイの終点から内陸部を走る県道に乗って和倉温泉に向った。
和倉温泉到着が3時前、時間が余ったので能登島に渡った。
七尾市が面する七尾湾には能登島が横たわり、天然の防波堤となって七尾港を造り上げている。
近年無料となった長さ1,050mの能登島大橋によって繋がった能登島には、様々なリゾート施設がある。
能登島大橋。こんな所に大きな橋があるのでびっくり。
マリンパーク海水浴場
マリンパーク海水浴場の砂浜に造られた「ひょっこり温泉」。偶然見つけた温泉だったが、海を見ながらの露天風呂は素晴らしかった。思いがけない幸福感。
能登島から大橋を渡ったとき、右手に和倉温泉が見えてきた。
七尾湾に面した和倉温泉
かの有名な加賀屋の威容(20階建て)
北陸で有数な歴史を誇る多田屋に宿泊。
76室の大型旅館で、宿泊料金は、平日料金@18,000円、ネットで予約した。
七尾湾に突き出た弁天崎の先端に湧く和倉温泉は、能登半島で最大規模の温泉地であり、28軒の大小の旅館が七尾西湾に面し立ち並ぶ。
開湯は古く、約1200年前、漁師が海辺の湯だまりで傷を癒す白鷺の姿を見たのが始まりだとか。
北陸最大の大浴場は長さ18m
海をみながらの露天風呂
3日目 (12月15日)
最終日、富山県の温泉に立ち寄り、福井県の名勝・東尋坊を観光してから帰途についた。
国道249号線で氷見方面に向う途中の「七尾フィッシャーマンズワーフ・能登食祭市場」で土産を買う
能登半島東側、氷見市に向う海沿いの国道160号線を南下。
石川県から富山県北東部に入り、目的の温泉を目指したが、ナビでも見つからず、偶然、温泉民宿にぶつかった。今回は、どこでもいいから、まだ入浴していない富山県の温泉に入ればよかったので、ここに立ち寄った。しかし思いもかけない立派な風呂には驚いた。
● 東尋坊(福井県)
能越自動車道・北陸自動車道を利用、加賀ICで下りて東尋坊に向った。
東尋坊は「輝石安山岩の柱状節理」という、地質学的にも珍しい奇岩が30mの崖となって2kmにわたって続いている。
東尋坊先端に浮かぶ雄島とともに、天然記念物に指定されている。
福井県最大の芦原(あわら)温泉は東尋坊からすぐ近く。次回の北陸温泉巡りのために残して通過、帰路についた。
走行距離 : 532km