和倉温泉 多田屋 (石川県)
所在地 : 七尾市和倉町
温泉名 : 和倉温泉
施設名 : 多田屋((宿泊日:2004.12.14)
住 所 |
七尾市和倉町ヨ部19 |
電 話 |
0767−62−3434 |
交通機関 |
北陸自動車道金沢東ICから能登道路経由能越自動車道高田ICから5km
JR七尾線和倉温泉駅から七尾バス和倉温泉行きで5分、和倉温泉バスターミナル下車
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施 設(日帰り) |
ロビー、売店、 駐車場(150台) |
宿 泊 |
76室 料金に幅があるので詳細は下記HPで参照のこと。 |
泉 質 |
ナトリウム・カルシウムー塩化物泉(泉温84.8℃ 4つの源泉の混合泉) |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 |
10時〜19時 (宿泊客は午前5時〜深夜1時) |
定休日 |
無休 |
日帰り入浴料金 |
大人1,500円 (予約不用)
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入浴施設 |
男女別大浴場、男女別露天風呂、貸切風呂2(露天風呂1、内湯1) |
浴室備品 |
タオル、シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー、 |
観光スポット |
能登島内観光スポット(能登島ガラス美術館・能登島ガラス工房・臨海公園水族館等)、食彩市場、能登半島の各観光スポット |
お土産・食事 |
土産は館内で可(立ち寄り湯で食事をスポットで取れるか確認しなかった)
七尾市内の「能登食彩市場」では海産物ショッピングと食事の両方が楽しめる。
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近くの温泉 |
和倉温泉総湯、ひょっこり温泉(島の湯)、和田内温泉(ほっとらんどNANAO)、赤崎温泉、氷見有磯温泉(さっさきの湯)、竹原温泉(竹原の湯) |
七尾市HP
多田屋HP
和倉温泉HP
総湯HP |
http://www.city.nanao.lg.jp/
http://www.tadaya.net/
http://www.wakura.or.jp/
http://www.wakura.co.jp/ |
雑記帳 |
露天風呂もあり、外観を含めて地元の銭湯という雰囲気はないが、和倉温泉にも「総湯」がある。入浴料480円、駐車場は80台可。 |
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
北陸2泊3日の旅、前日宿泊した山中温泉で総湯・菊の湯に入浴後、金沢で昼食。それから、能登半島を南東に縦断する能登道路(有料)に乗り、途中、千里浜の「なぎさドライブウエィ」で波打ち際のドライブを楽しんでから、本日の宿泊地・和倉温泉に向った。
千里浜(ちりはま)なぎさハイウェイ
能登半島の西、羽咋市(はくいし)の海岸沿い、波しぶきを浴びるような波打ち際をドライブできる砂浜が5kmほど続く。「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」だ。
粒子の細かい砂が海水を含んで固くなって、車が通れるのだ。私がここで同行した愛犬と遊んでいたとき、観光バスがラクラクと通過して行った。
私も窓を開け、潮風を浴びながら心弾むドライブをしばし楽しんだ。
夕陽が沈むときの光景はさぞかし素晴らしいことだろう。
波の中に乗り入れたかったが、後の塩分除去のための洗車を考えて我慢した。
愛犬も大喜びだった。
七尾湾に突き出た弁天崎の先端に湧く和倉温泉は、能登半島で最大規模の温泉地であり、28軒の大小の旅館が七尾西湾に面し立ち並ぶ。
開湯は古く、約1200年前、漁師が海辺の湯だまりで傷を癒す白鷺の姿を見たのが始まりだとか。(全国の温泉の開湯は、弘法大師、行基、鶴、鹿など僧・動物に因む伝承が多い)
その後、江戸時代に入って、海中に湧く温泉を石で囲って湯島を造営して湯治場を設けた。
因みに、和倉温泉の総湯は、明治32年に建設されたものが初代で、現在営業している浴場は6代目である。
湯はナトリウム・カルシウム塩化物泉(旧称は含塩化土類食塩泉)、泉温は94℃と高温であるが、これは4つの源泉を集中管理して、旅館に配分しているもので、総湯量は1,600リットル/分である。
何れの旅館・ホテルも主として近海で獲れるカキ・カニ・寒ブリ・アマエビ,、アワビといった新鮮な魚介類を客に供するので、これを目当てに来る客も多い。
帰途又は昼食時には、「七尾フィッシャーマンズワーフ・能登食祭市場」に立ち寄ることをお薦めする。(国道249号線を氷見方面に向かい、国道159・160号線とぶつかる手前の標識に従がって左折すぐ)
ここでは、地元の新鮮な魚介類・海産物や工芸品を買い求めたり、シーフードや和食の店で食事が取れる。
七尾市は日本海に突き出た能登半島の中央部東側に位置し、七尾湾・富山湾に面している。
七尾湾の真ん中には、外海の富山湾から湾内を庇護するように能登島が横たわり、そのため七尾湾の西と南は、常に鏡の面のように波静かである。
西南の丘陵がそのまま七尾湾に伸び、天然の良港・七尾港を造り上げている。七尾は、この港を玄関口として古代より能登の政治・経済・文化の中心として発展してきた。
観光面では、海辺の温泉地として全国的に知られた和倉温泉を中心に、近年開通した長さ1,050mの能登島大橋によって繋がった能登島に様々なリゾート施設がある。
能登島大橋からの和倉温泉
土産に海産物を買い求めた。
鉄筋20階・12階・9階建ての高層建築、これが一旅館とはとても思えない。和倉温泉には、常に旅館人気ランキングベスト10の上位を占める加賀屋がある。私の手元にJTBの「優雅なる宿(2004.10〜2005.4)」のパンフレットがある。見ると、一泊が軽く6万円を超える旅館が5つあった。その中には、箱根・強羅花壇、伊豆の蓮台寺温泉清流荘などと並んで加賀屋があった。
他の旅館は広大な敷地に数少ない部屋、おしのびの宿の趣だが、245室の巨大な旅館にこの価格設定があるのは、日本中広しと言えども加賀屋だけではないか。
施設の豪華さ・料理より癒しを求め、「湯治」「秘湯」といった温泉文化を持つ関東には存在し得ないタイプの旅館だ。今回、和倉温泉の旅館を選ぶ際、ここは初めから対象外だった。
最低料金が3万円を超えるという価格設定もあるが、高層ビルにこの部屋数の多さ、ステージショー、いずれも私が温泉旅館に求めているものではないからだ。
この加賀屋を差し置いて、二冊の温泉ガイドブックと和倉温泉HPの筆頭に紹介されていたのが、ここ多田屋だった。
多田屋の紹介記事の中の「明治7年創業、日本海沿岸で有数の老舗」「九州の名門鍋島家との縁も深い歴史と伝統を持つ旅館(恋の逃避行のロマンです)」それに「北陸最大の大浴場」といったコピーに惹かれてここに決めた。
宿泊料金(平日料金@18,000円・・・ネットでの個人予約)も、和倉温泉では、まあ、リーズナブルだ。
多田屋は和倉温泉の最奥部、小高い丘の上にあった。派手な出迎えも無く、私にはかえって好ましい。(この日は平日で仲居さんの数が少なかったせいかもしれないが)
ケバケバシサの無いロビーの向うに、能登島で守られた七尾西湾の鏡のような海が広がって、山間(やまあい)の温泉では味わえない開放感を覚える。案内された部屋は4階の12畳の和室で、部屋からのオーシャンビューは素晴らしい。嬉しかったのは、広い縁側にありきたりの小さなソファセットでなく、ダイニングに使えるテーブルと4脚の肘掛つきの椅子が置いてあったことだ。膝や腰に支障がある私どもは、さっそく今夜の食事はここでと仲居さんに頼んだ。
この仲居さん(源氏名はアケミさん)はなんと東京の下町育ち、歯切れのいいホンモノの東京弁を久し振りに聞き、お互いの犬の写真を見せあったりして話が大いに弾んだ。
混み合う前に、写真を撮るべく1階の浴室に下りていった。
脱衣場はとても広く、明るく清潔だった。
幸運にも、大浴場も露天風呂にも誰もいない。浴衣のままで、それらを急いで撮影してから、あらためて風呂に浸かった。
浴室・湯船は異なる石板を使用していて、品格のあるものになっている。
大浴場は、「男女とも北陸最大の18m」の謳い文句通り、中央の円形ジャグジーから両翼に湯船がシンメトリーに伸び、50人は一度に入浴できる広さ。全面ガラス張りの前方から見る海の景色は素晴らしい。
湯は透明なナトリウム・カルシウム塩化物泉で、食塩泉特有の肌触りだ。
因みに、ここは4種類の源泉(弁天崎5.8.10.13号)の混合泉、これは入浴しなかったが和倉温泉総湯と全く同じ表示であったことから、和倉温泉のかなりの旅館が集中管理湯として、この混合泉を用いていると判断した。
露天風呂は6畳ほどの石風呂(女性用は縁が木造り)で、湯船に体を沈めて外を見ると、海と一体になった感じを覚える。
その横には一人用の釜風呂が3つ、夕日が沈む様子を見るのに最も適した風呂だ。
最新のガイドブックに拠れば、ここの風呂は、和倉温泉の他の旅館と同じく「一部が掛け流し」のマークがついていた。上記3種類の風呂の何れかが、あるいは二つある貸切風呂がそうなのか、細かく観察しなかったので、特定は出来なかった。
料理はさすがに海沿いの温泉らしく、能登周辺で獲れた魚介類を素材とする洗練された料理だったが、味音痴、料理音痴の私には詳述を行えないので省略する。
全体として、宿泊料金に見合った満足感を十分得たが、一点だけ、帰宅後の先方の礼状メールの返信に意見を付した。
私たちが宿泊した部屋のトイレがウオッシュレットでなかったことだ。
立派な風呂、観光旅館に多く見かける赤や派手な模様の絨毯とかキンキラキンの装飾を避け、ブラウンやベージュを基調とした老舗らしいシックな雰囲気を漂わせたロビー・ラウンジ・廊下などの公共部分、別棟の豪華な客室(下記)などへかなりの投資も行ったように見受けられた。
それだけに、1万円チョッとの東北の秘湯でもウオッシュレットがある昨今、何は差し置いてでもこれを設置すべきであろう。
尚、ここには、3万円〜4万円台(2人宿泊の場合の一人料金)の特別室が10数室ある。予算に余裕がある方は、こちらに宿泊することをお薦めする。浴室に近いのが便利、その上、本館とは別棟なので離れ感覚であり、先述の加賀屋の同じ料金の部屋に宿泊するより、ずっと落ち着いたステイを味わえるだろう。
周囲を睥睨するかの有名な加賀屋
多田屋(駐車場から)
七尾西湾を望む開放的なロビー
大きな脱衣室
パウダーコーナー
長さ18mの大きな浴場
海と一体になる露天風呂
夕日を見るのに最高の釜風呂(3つ有り)
旅館からの日没風景(当日は曇天のためHPから拝借)
海の珍味の先付け