甲子大橋。国道289号線は、まるで甲子温泉専用国道のようにここで途切れる。この橋の向こうに甲子山を貫いて4000mを超える長いトンネルが建設中だ。→開通済み
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
所在地 : 西白河郡西郷(にしごう)村 
温泉名 : 甲子(かし)温泉
施設名 : 旅館大黒屋 (入浴日:2006.10.1)
甲子温泉・旅館大黒屋 (福島県)
住 所 福島県西白河郡西郷村大字真船字寺平1
電 話 0248−36−2301
交通機関 東北自動車道白河ICから国道289号線で25km(約40分)
(国道289号線は甲子温泉で行き止まり)
東北新幹線・東北本線
新白河駅東口から送迎バス40分(要予約)
12:20分/15:20分の二便
翌日旅館出発10:15分→新白河駅
施 設(日帰り) 食堂、売店、ロビー、有料休憩室、駐車場(50台)
宿 泊 26室 (内トイレ付3室) 1人12,750円〜14,850円(税込み)
料金は変動しますので下記HPで参照ください。
チェックイン14時 チェックアウト10時
泉 質 カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(石膏泉)と単純泉  泉温44℃〜47℃
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
外来入浴時間(日帰り) 大岩風呂:9時30分〜17時
恵比寿の湯:9時30分〜13時
定休日 11月中旬〜4月中旬は冬季休業 (営業期間中は無休)→現在は通年営業となっている。
入浴料金 大人630円 子供420円
上記料金で大岩風呂・婦人風呂・恵比寿の湯で入浴可
休憩入浴1,050円
入浴施設 混浴大浴場(大岩風呂・・女性タイム有り)、内湯:男1女2 露天風呂: 男1女1
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー(大岩風呂にはシャンプーボデイソープ無し)
観光スポット 周辺登山・トレッキング、那須高原、会津若松、大内宿、猪苗代湖、桧原湖、五色沼、秋元湖、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、吾妻高原、浄土平
お土産・食事 日帰りランチ 2,500円(入浴料・休憩・コーヒー込み)
麺類などの一品料理有り
売店で土産可
近くの温泉 新甲子温泉、那須温泉郷、板室温泉、二岐温泉、岩瀬湯本温泉
西郷村HP
大黒屋HP
http://www.vill.nishigo.fukushima.jp/
http://www.kashionsen.jp/
雑記帳 現在国道289号線は甲子温泉でストップしているが、そこから先にトンネルが掘られていてすでに貫通している。開通すると国道289号線は全通し、大回りすることなく121号線(会津西街道)に出られる。→開通済み
温泉教授・松田忠徳氏が激賞の甲子温泉旅館大黒屋。なるほど、150年続く大岩風呂は文句なしの名湯だった。
西郷村は、東京から北へ約200km、東北新幹線で約90分の距離にあり、東北自動車道・白河ICと東北新幹線・新白河駅の両方が村域にある。

村には、この他にJRA場外馬券売り場、大型商業施設、大型の工場、陸上自衛隊演習場、甲子温泉・新甲子温泉など財源となる施設が多数あるため、どうやら白河市との合併を嫌い、独立路線を堅持しているらしい。

地理的には、栃木県との県境である那須岳が村の西にあり、村域全体が阿武隈(あぶくま)川の上流域にあたり、那須岳東側山麓は甲子高原があって那須高原に連なっている。
阿武隈川は北上川に続く東北第2位の大河で、この村にある旭岳が源流である。

この村出身の著名人として、野村沙知代さんの名前が上がっていたのには笑えた。
初めて甲子温泉を知ったのは、温泉巡りを始めて間もなく購入した温泉教授・松田忠徳氏の「日本全国温泉ガイド」でだ。
同じ著書「日本百名湯」1に選ばれた近くの(実際は大回りしなければならないのでかなり遠い)二岐温泉・大丸あすなろ荘とともに、いつの日か必ず訪れようと思っていた。


この日の宿泊地、中ノ沢温泉に向う途中、白河ICで東北自動車道を降りて国道289号線に乗った。
200番台の国道なので、道中は何の不安も持って無かったが、予想通り立派な2車線を20kmほど進む。

右手には阿武隈川の清流が流れているはずだが、少し離れているので見えない。やがて甲子高原に入るとすぐに新甲子温泉が見えてきた。
国道沿いに広い敷地を持った数軒の宿が建ち並んでいる。

ここを通り過ぎて5km、道は甲子大橋で途切れ、左に折れて甲子温泉に到着した。
背後に甲子山(1549m)が迫る大黒屋本館
今から600数十年前の至徳年間・甲子(きのえね)の年に発見されたという甲子温泉。
先々代の山師が材木と一緒に押し付けられたという大黒屋の創業が、室町中期とあるのはこれに基づくのだろう。

到着したとき、。背後の甲子山から下りてきたのだろうか、リュックを背負った沢山のハイカーで賑わっていた。
今のように人気が出る前は、登山客が利用したであろう本館は飾り気の無い2階建てで、この横に別館として3室を持つ勝花亭がある。


フロント・ロビーも雑然としていて、「日本秘湯を守る会」の旅館に相応しい雰囲気だ。
午後1時を過ぎていたため、館内の恵比寿の湯の内湯と露天風呂は入れないのでさっそく目的の大岩風呂に向う。

傾斜が激しい急階段を下りて外に出て、そこでサンダルに履き替える。
目の前に阿武隈川の源流が白波を立てて流れ、その上を跨ぐ私設の橋を渡る。

右手に婦人風呂の湯屋、正面に混浴の大岩風呂を覆う湯小屋が見える。
大岩風呂は、残念ながら夜19時〜21時と早朝4時〜6時のみが女性専用なので、立ち寄り湯時間帯は混浴となっていて女性は入りにくい。


中に入ると、少し前に入浴した那須湯本温泉の鹿の湯と同じく、脱衣場と風呂場はシースルーで仕切りが無い。
その浴室は外から見る湯小屋からは想像できない広さで、ぶち抜きで梁がむき出しの天井の下に5mx15mの大きな風呂があり、向かいの窓から光が差して湯が鈍く反射している。

右手からは岩盤がせり出して、奥から湯が流れ出ている。
演出なのか、文字通り岩から滲みだしているのか定かではないが、この部分が大岩風呂の由来なのだろうか。ここは150年の歴史がある風呂だそうだが、その貫禄は十分にある。

浴槽の深さは120cmもあり、お尻を底につけると潜水することになる深さだ。宿の解説では「立って入浴」とある。
浴槽の真ん中には直径1mの岩があり、その上に腰掛けたり撫でると子宝に恵まれるという。
これを見て、「大岩風呂」の由来はこちらから来ているのだろうかと迷った。

他に,新設された男女別の内湯と露天風呂が本館にあるが、午後1時までが立ち寄り湯の時間なので入浴できなかった。
,湯は透明で、うれしいことに温めの石膏泉。加温・加水なしのピュアーな温泉が掛け流しになっている。この自噴の温泉の他に、掘削した単純泉の源泉があり、これは下流の新甲子温泉に配湯されている。
秘湯の宿の雰囲気が漂うロビー。
阿武隈川の渓流を渡って湯小屋へ。
2009年6月29日にリニューアルオープンし、大きく変貌しています。詳しくは大黒屋のHPを参照ください