Sleepy Hollow

ホラー映画の若手でもなくなってきた、ティム・バートン監督が、過去に何度か映像化されているゴシック・ホラーに挑んだ作品。ディズニーの「イカボードとトード氏」とは、全く異なるアプローチです。公開第1週の興行収入は、007 に次いで2位だったものの、3000万ドルをあげてヒットしました(同一週に、2つの映画が3000万ドル以上あげたのは史上初)。
時代は1799年。ニューヨークの北にある村、スリーピー・ハローに首のない馬人が現れ、次々と村人たちの首をはねて持ち去るという、怪事件が起こります。ジョニー・デップ演じる主人公イカボードは、日頃から科学捜査の重要性を口にして、上司からうとまれているニューヨークの検察官(?)。左遷の意味もあるのか、この事件の捜査に派遣されます。当初は「首を持ち去るのは被害者の身元を隠すためだ」と言っていたイカボード、実際の捜査の経験は少ないのか、強烈な死体を前にして鑑識するのもふらふらして笑わせてくれます。目の前で首のない馬人を見てしまって、ひっくり返ってからは、開き直ったか、真正面から事件解決に乗り出していきます。
映画版「アダムス・ファミリー」で娘のウエンズディーを好演した、クリスティーナ・リッチ演ずるヒロインがいい。童顔に大きな胸というのが、特にいい(おい)。今後もホラー女優の道を進むか? また、今年77歳になるクリストファー・リーが、ニューヨークの判事を演じています。馬人のデザイン、メイクなどにも見られるとおり、この映画に込められた、ハマー・フィルムへのオマージュを象徴するキャスティングです。ティム・バートン監督は、過去にも「シザーハンズ」で名優ビンセント・プライスに最後の役を与えています。
今の時代、ホラーを作るのは難しいですが、迷信を信じる人が多い18世紀の中で、一人科学主義的な人間を主人公にすることで、モダンなホラー映画になったと思います。
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