Mission To Mars

全滅したと思われる、人類初の火星探検隊を救援・調査に赴くミッションを描いた話です。監督は「ミッション・インポシブル」と同じ人ですが、似ているのはタイトルだけのようです。
素晴らしいのは火星ロケットの内部で、回転による周辺部の擬似重力と、中心部の無重力をうまく映像化したと思います。遠心力を自然に見せるため、上手にセットとカメラワークを使っています。宇宙船内部の映像として、近年の映画で比較の対象になるのは「アポロ13」でしょうけど、そちらを見ていないので、何とも言えません。
反面、火星で発見された高度文明の残滓は、映像的には新しさを感じません。まあまあよくできているとは思います。最近は、CG もきめが細かくなってきて、通常の映像との差異が気にならなくなってきました。CG を使った SF 大作で、ビジュアル・ショックを見せるのが、だんだんと困難な時代に来ています。画面の隅のほうで、気の利いた小技が光るようなシーンが欲しいと思いました。
3月の SF ムービーの目玉ということで期待しすぎたのか、私には今一つでした。映画としては、全体によくできていると思います。ヒロインの女優、こういう映画よりも、しっとりした大人の映画に使いたいです。
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