城砦から、船が見えた。
一体、どんな構造になっているのか、二人ともとても興味をそそられ、
船内をくまなく見て回る。
「狭エな」
「こんなに狭かったら、・・・色々困るなア」とか言いながら、船長室などを見て回るが、
二人ともの興味を一番引いた場所は、やはりキッチンだ。
「狭エ!」
「でかい鍋だな」
「道具、こんなのをこんな風に収納しているのか」と普通、他の人がさらりと見て流すところを
やたら丁寧に見る。
見たい場所、見たいモノは大抵、見たし、ただ、朝飯を詰め込みすぎて
一向に腹が減らない。
食べたいものはたくさんあったのに、わざわざ探してそれを食おうと言う気が起きなくて、
結局昼は何も食べなかった。
が。
「餃子ドッグ」だけはどうしても食べておかねば、と二人で、
「海底二万里」の近くの、餃子ドッグを、一つだけ買う。
何箇所か、餃子ドッグを売ってるらしいが、ここのが一番美味いらしい。
買って、手にとってみると思っていた以上にデカイ。
それを、二人で半分に分けて食べた。
肉まんの中に餃子が入っている、と言うモノだが、評判どおり、美味だった。
飛行場へ向うバスの予約の時間がある。
さして、時間が有り余っているわけではない。
それから、お互いみやげ物を買うために売店に入る。
妙なぬいぐるみを見つけて、どうしてもほしくなって買う。
そろそろ、日が暮れてきた。楽しい時間ほど、早く過ぎてしまう。
遅れては大変なので、ゲートを出て、また、ディズニーラインに乗る。
昨日、ここへ来たのと同じくらいの時間、同じくらいの夕暮れ。
楽しかったからこそ、また別々の場所へと別れて帰っていくのを見送る時間が
近づいてくると寂しさが増してくる。
いつも、見送る時の儀式。
また、必ず会おう、と言う約束。
飛行場へ向うバスを見送った、ホテルの玄関は、イルミネーションがとても綺麗だった。
(ま、ホントはもっと明るく笑って、手を振ってました。これはゾロサン風味なのでこんな絵に
なりましたが、実際は、こんなに濃厚なハグじゃないですよ!)
今度、会えるのは来年。
来年、またもう一度、ここへ行きたいと心から思った。
(終わり)