とある島で、サンジはミスター5と遭遇。

麦わらの一味に恨みを持つミスター5は、サンジを狙う。

いかに蹴りの達人とは言え、蹴れば自分の足が吹っ飛ぶのだから、
麦わらの一味のコックは手も足も出ないまま、その島の中を逃げ回った。

だが、ついに、ミスター5は路地裏へコックを追い込む。

世界を手に入れるどころか、今では無様に逃げ回り、隠れて生き延びている。
こんな惨めな境遇に追い込んだ麦わらの一味のコックをどうやって
血祭りにあげてやろうか。

そんな事を考えて、ミスター5がほくそ笑んだ時だった。

「…てめえの負けだ、爆弾野郎」

そう言って、コックは不敵に笑った。

「何?」

コックは、地面を蹴り、路地裏の倉庫らしい建物と建物の間を繋ぐ配管を
次々とあっという間に蹴り砕く。

凄まじい圧力で、蹴破られた配管から水が吹き出て、それが豪雨の様に
頭から降って来る。
ほんの数秒で、頭の先から足の先までずぶ濡れになった。

「悪足掻きをするんじゃねえ!」ただの水なら、爆発するのに何の支障もない。

だが、狙いを定めて伸ばした腕に力が入らない。
目が霞み、視界がぶれた。まるで、海の中に突き落とされたかのような
感覚に、ミスター5は愕然とする。

(…な…なんだ、一体…?)

こんな路地裏に、こんなに大量に海水があるわけがない。
それなのに、降って来るのは間違いなく海水だ。

「…てめえは俺を追い込んだつもりだっただろうな」
そう言って、コックは勝ち誇った笑みを浮かべて、
がっくりと膝をついたミスター5を見下ろしている。

「ホントは、俺がここへ誘い込んだんだよ」
「ここらの倉庫には、魚の生簀がたくさんある」
「…新鮮な魚が買える、いい市場だ」
「…そんな事、てめえは知りもしなかっただろ?」

能力が発動しなければ、勝ち目はない。
ミスター5は、再び、麦わらの一味にねじ伏せられた。




…なんて妄想をしながら書いたイラストです。

萌え展覧会に投稿させて頂きました。

お題は

「倉庫」「路地裏」「濡れて張り付いたシャツ」「流血」でした。


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