ローマ字表記法 - 抜き書き

(1946年10月22日)


ローマ字教育協議会によるローマ字教育の指針(4)

I.

3. いわゆる長母音はその文句の上に ^ を付けてあらわすか、または母音字を重ねてあらわす。ただし「ていねい」「命令」などの「えい」は ei とする。

obâsan, nêsan, Tôkyô, ryôri
kûki, tyûi, ookii
tiisai, teinei, meirei

4. はねる音はすべて n であらわす。

sannin, sinbun, denpô
kankoku, tenki

(注) はねる音をあらわす n の次にすぐに母音字または y が続く場合には n のあとに切るしるし ' を入れる。

gen'in, kin'yôbi

5. つまる音は次にくる子音字を重ねてあらわす。

Nippon, gakkô, kitte
zassi, ossyaru, syuppatu
tyotto

ただし次のような場合にはアポストロフ ' を使って示す。

"A'" to sakebu.

6. 文の最初の単語や固有名詞やその他必要のあるところにはその語頭に大文字を用いる。

Kyô wa kin'yôbi desu.
Tôkyô, Huzisan

(付記 1)
外来語は国語音のつづり方にしたがって書く。

inki, naihu, tabako, ranpu

(付記 2)
外国語(地名/人名をふくむ)のローマ字つづりは原則として原語にしたがって書く。ただし日本風によびならわした地名/人名は外来語なみにあつかう。

II. 分かち書きのしかた

1. 原則として単語はそれぞれひと続きに書き他の単語ははなして書く。

Suzusii kaze ga soyosoyo huku.
Kyô wa watakusi no tanzyôbi desu.
Kare wa Eigo mo deki, sonoue Huransugo mo zyôzu da.
Iya, sonna kimoti wa nai.

(注意 1)
いわゆる形容動詞と認められる語は「だ」をはなして書く。

kirei da, zyôzu da

(注意 2)
複合語が一語としてまだ十分に熟していないものにはつなぎ - を入れる。

rigai-kankei, hanasi-tuzukeru

ただし一語として十分に熟したものには - を用いない。

hinoki, amagasa, miokuru

(注意 3) 接頭語、接尾語は続けて書く。

otera, massakini, anatagata
ronriteki, dorodarake

ただし接尾語で上の語に続けて書くと意味のまぎれやすい場合にははなして書く。

Hanako san, Tarô kun
Itô-zirô sama

(注意 4) 固有名詞は次のように書く。

Nippon Ginkô, Sumidagawa
Sakurazima, Tôkyôwan
Tôkyô-to, Tiba-ken

2. 助動詞は続けて書くのを原則とする。

kikaseru, misaseru, yorokobareru
tasukerareru, kakanai, tabeyô
ikitai, kanasimasu, okita
yonda

(注意 1)
助動詞「う」は接続する動詞/助動詞などによってそれぞれの行のオ段長音となる。

kakô, hanasô, utô, utaô
yomô, urô, yobô, desyô

(注意 2)
助動詞「そうだ」「ようだ」は sô da, yô da のようにそれぞれ「だ」をはなして書く。

(注意 3)
助動詞「そうだ」はようす、ありさまなどの意味をあらわすものは「そう」を前の語に続けて書くが、伝え聞く意味をあらわすものは前の語からはなして書く。

arisô da, aru sô da
suzusisô da, suzusii sô da

3. 助動詞のうちで「だ」「です」「らしい」「ようだ」および、伝え聞く意味をあらわす場合の「そうだ」などははなして書く。

Are wa Huzisan da.
Huzisan wa utukusii yama desu.
Mô minna kaetta yôda.
Kon'ya wa ame ga huru rasii.
Asoko wa taihen atui sôda.

(注意)
接尾語の「らしい」は続けて書く。

Ano otoko wa itumade tattemo kodomorasii ne.

4. 助詞ははなして書くのを原則とする。

Kore wa watakusi no hon desu.
Koko wa natu wa suzusii si, huyu wa atatakai.
Kare wa natu demo huyu demo zyôbu desu.
Tenki ga kuzureru na to omowareru no ga kono kumo da.

(注意 )
助詞「は」「も」が助詞「に」「で」に重なった場合には続けて書く。

Ue niwa ue ga aru.
Dare nimo dekinai.
Tegami dewa osoku naru.
Kiku dake demo yoi.

(注意 2)
接続の「と」は続けて書く。

Haru ni naruto tubame ga kuru.

(注意 3)
禁止の「な」は続けて書く。

Ikuna yo.

5. 用言に続く助詞のうちで「ば」「ても」「でも」「て」「で」「ながら」「たり」「だり」などは続けて書く。

Yomeba wakaru.
Mitemo wakaranai.
Kusuri o nondemo naoranakatta.
Dôzo mite kudasai.
Ugokasanaide kudasai.
Nakinagara utatta.
Kodomotati ga detari haittari site asonde iru.
Tondari hanetari suru.

(以上)


(追記)

おもだったものを抜き書きしてみた。上の例は日本式で書いてあるがこの表記法はヘボン式の場合にも当然適用される。

(テキストブラウザだと、長母音は o^ のように表示されます |^o^)y-~)


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