「プラグマティズム論理学」
(「プラグマティズム I 概論/論理学」)


著者はこのころデューイの論理学 - 論理の探究(Inquiry of Logics)だと思うが - を訳出していた。

そこでデューイにインスパイア(触発)されて、できたのがこの文章である。

デューイは<実践>の哲学者といわれるが、その実践には言葉の上の定義だけがあり、絶対にといっていいほど哲学の外へはでていかない。

こちらがなにか問い質したところで "That's all." とかいって背中を向けるような哲学だ。

しかし著者は、まるで陽気な「ミル評注」- チェルヌイシェフスキーの - でも書くようにどんどん論理をすすめていく。

そして著者は、読者を説得(パーシュエイド)するためにも、論理を正攻法で組み立ててゆく。

(著者 久野収 発行 白日書院 1947年刊)


2003年 12月 - 2004年 1月

読書日誌