「憲法の現代的断面」
法律学者による時論的文章を集めたものである。
この本で初めて知ったのだが、昭和33年(1958年)に「国会議員互助年金法」という法律が両議会の承認を得て成立したらしい。
つまり今はだれも疑わずに議員の退職金や年金を見過ごしているが、実はそれほど昔からあったものではない、ということだ。
そしてこの法律自体、まえぶれもなく政府より提出され「電光石火」で - すなわちなんの議論もなく - 成立したものとのこと。
しかも著者によると翌年から自治体の議員までが、自分たちにも年金を、ということで猛運動をはじめたとある。
地方自治法には「給与の制限」がうたわれているにもかかわらず、である。 そういえば知合いの議員が何年か勤めたので年金がついたといっていたな。
こういう金にかかわる法律には - 「軍人恩給」なんかも含めて - 法の下の「不平等」が確かに存在するようだ。
(著者 和田英夫 発行 評論社 1962年刊)