絶版について
中公新書の「関東大震災」が別の出版社から再刊されている。
著者の姜徳相によれば「四年前に」「他の出版社に移管」になったので絶版を言い渡された、ということである。 1975年に刊行されて後、新資料も集まり増補を考えていたので、今回の再刊ということとなった。
それはいいが普通、絶版とは著者の側から言い出すことだろう。
たとえ出版社が紙型を処分するようなことがあってもそれを理由に一方的に絶版を言い渡すことなど考えにくい。
新書から文庫へとスライドした書物もこの出版社にはある。 一読者としてはそのほうが価格を考えると助かるのだが。
やはり著者のいう通り中央公論社という名前は同じだが別の「新しい」出版社になったのだろう。
まさかとは思うが、会社に茶坊主がいて、戦前の正力松太郎に言及している部分を嫌っての処置 - だとは思いたくないが ...