大和川水系の水質調査
検水時の気象状況(天候・気温・水温)の観測
魚類や水生昆虫、微生物などの水生生物の活動は、気象状況に大きく左右されます。一般的に、天候が晴れ(雲量2〜8)や快晴(雲量0〜1)の状況下では日射量が多くなり、日射量が多いと気温や水温が上昇しやすくなります。すると、酸化や還元を行う微生物の活動も活発になります。この微生物の活動が活発になると、水中の酸素(溶存酸素)を消費してアンモニアなどの物質を分解していきます。日射量が多いと光合成を行う藻類なども繁殖します。このような状況下では理論上、アンモニアの濃度は低いと考えられます。逆に、天候が悪く水温も上がりにくい状況下では微生物の活動が活発にならないので、アンモニアなどの濃度は通常より高いと考えられます。したがって、気象状況を調べることは、水生生物の活動を推測する上で重要なものになります。また、一部のpH指示薬は水温が35℃を超えると溶け出る場合があるので、水温の計測は重要です。
<参考資料>
おいしい水研究会の研究資料および答申 厚生省(現厚生労働省)おいしいみず研究会
まちと水辺にゆたかな自然をU 財団法人リバーフロント整備センター 山海堂(1992)
多摩川の汽水域(六郷川の四季)Ver.5.2-1 上野隆史
以下は上野隆史氏が参考にした文献
「多摩川誌」 編集委員会編著 河川環境管理財団発行
「新多摩川誌」 編集委員会編著 河川環境管理財団発行
「大田区史」「(資料編)地誌類抄録」 区史編纂委員会編集 大田区発行
「史誌(各号)」 大田区史編纂室編集 大田区発行
「羽田史誌」 羽田神社発行
「川崎市史」 川崎市編集発行
「川崎誌考」 山田蔵太郎著 (株)国書刊行会
「大田区の歩み」 宮川茂著 大田区総務部発行
「多摩川における渡しから橋への史的変遷」 平野順治著
「川崎の町名」 日本地名研究所編 川崎市発行
「大田の自然」 大田区教育委員会編集発行
「大田区史跡散歩」 新倉善之著 学生社
「水恩の人」 小林孝雄著 出版文化社
「羽田空港物語」 上之郷利昭著 講談社
「東京の原風景」 川添登著 NHKブックス