リン酸
リン酸はリン酸イオン(PO43−)という形で存在するリンで、pHによりHPO42−、H2PO4−、H3PO4などの形になります。栄養塩として藻類に吸収利用されるため富栄養化現象の直接的な原因物質となります。水中のリンの負荷源は主に人為的なもので、開発による流出土壌、森林や農地に過剰散布された肥料、家庭排水、し尿、工場排水、畜産排水などがあります。リン酸は通常の下水処理ではリンは完全に除去することはできませんが、最近では、凝集沈殿法や生物処理などの高度処理により除去率を向上させています。
リン酸は植物の三大栄養素の一つで、リンが増えると、赤い色をした植物性プランクトンや緑色の藻が大発生する赤潮やアオコと呼ばれる水の状態になります。この状態になるとプランクトンの持つ毒素、植物体が出す酸素の過飽和による魚の病気、大発生したプランクトンの死骸の分解に酸素が消費されるため、酸素不足による窒息死など魚介類が大きな被害にあいます。したがって、検水中から高濃度のリンが検出されると汚染されているといえます。リン酸の濃度はパックテストで簡単に測定することが出来ます。
1.検水(1.5ml)を専用カップの中に入れます。
2.K−1試薬を4滴(0.25ml)加えます。
3.蓋をして2〜3回振り混ぜます。
4.チューブ先端のラインを引き抜きます。
5.穴を上にして指でチューブの下半分を強くつまみ、中の空気を追い出します。
6.そのままの状態で穴を検水の中にいれ、つまんだ指を緩め、全量を吸い込ませます。
7.かるく5〜6回ほど振り混ぜて1分待ち、標準変色表と比較します。
1分後にポリチューブ内の水の色を標準職と比べ、一番近い色の値が検水の測定値になります。