大和川水系の水質調査
自由研究のコーナー
亜硝酸
 亜硝酸は、水中では亜硝酸イオンとして存在しています。亜硝酸の元は亜硝酸態窒素で、亜硝酸塩として含まれています。亜硝酸態窒素は主にアンモニウム態窒素の酸化によって生じますが、きわめて不安定な物質で、好気的環境では硝酸態に、嫌気的環境ではアンモニウム態に速やかに変化します。
 検水に亜硝酸の反応が出ている場合、細菌による汚染が発生している可能性があります。例えば、大腸菌群や緑膿菌類等の還元細菌が硝酸性窒素を栄養源として、亜硝酸性窒素に還元している可能性が高いからです。亜硝酸は低レベルの濃度でも腎臓や肝臓に対して機能障害を引き起こすことがWHO(世界保健機関)の研究から分かっています。亜硝酸は、人の胃の中で食品中の窒素化合物のアミンやアミドと反応して発癌性物質であるニトロソアミンという物質を作りだします。また、血液中のヘモグロビンとも反応して、酸素運搬機能のない血色素メトヘモグロビンも作ってしまいます。その結果、酸素を運ぶ能力がなくなっているため、酸欠や窒息状態(チアノーゼ)を引き起こします。これがメトヘモグロビン血症です。
 人体にとっても有害な亜硝酸は水生生物にとっても危険物質となります。亜硝酸が硝酸に変わるときには水中の酸素が多量に消費されているので、水は酸欠状態になってしまいます。つまり水生生物は窒息死してしまうのです。
 また、水生生物でも酸素運搬機能のない血色素メトヘモグロビンを作るという症状が見られます。
 したがって、亜硝酸の濃度を測定することで汚濁の度合いが分かります。
 亜硝酸の濃度はパックテストで簡単に調べることが出来ます。

1.チューブ先端のラインを引き抜きます。
      

2.穴を上にして指でチューブの下半分を強くつまみ、中の空気を追い出します。
      

3.そのままの状態で穴を検水の中にいれ、つまんだ指を緩め、半分くらいまで検水を吸い込ませます。
      

4.かるく5〜6回ほど振り混ぜて2分待ち、標準変色表と比較します。
        
  2分後にポリチューブ内の水の色を標準職と比べ、一番近い色の値が検水の測定値になります。
2分
<参考文献・資料>
 共立パックテスト使用法 共立理化学研究所

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   株式会社クリスタル・イーオン(2004.10)

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   学研ムック「驚異の科学」シリーズ
          学研(2004.12)
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