関市刃物産業の構造と業界団体
刃物班
 関市の刃物関連企業は約600事業所、市内の約4割の事業所が同産業に従事している。このうち完成品メーカーは約170社であり、このほかに刃物の研磨、研削などの工程加工業者が約350社、刃物部品製造業者が約80社となっている。 これらの企業の利益代表をおこなう中心組織として、岐阜県関刃物産業連合会がある。また同連合会には、岐阜県刃物技術デザイン協会、関金属工業協同組合、岐阜県利器工匠具工業協同組合など10団体が加盟しているが、その中に日本輸出刃物工業組合も存在する。 日本輸出刃物工業組合は日本を代表する刃物産業の輸出組合であるが、同組合に加盟する65社のうち、実に64社までが関市の企業であり、残る1社が新潟県(燕市)となっている。
 関市刃物の輸出先をみてみると、米国が全体の約54%、次いで韓国、台湾、中国を含むアジア諸国が約21%、ヨーロッパ約11%、中近東約6%(いずれも推計値)となっている。 近年、関刃物産業では海外におけるブランド・イメージの一層の浸透を図るべく米国アトランタでのナイフ・ショーなどに出展を続けているが、今後においてもこうしたブランド・イメージの発展、および高品質・高精度が追求されるニッチ市場(隙間産業)の開拓が同地産業の発展の鍵であると見ている。


                                              輸出地域別内訳
                         (「平成17年度版 関市の工業」岐阜県関市(2006年)より作成)