伝道師
2005年2月12日
何のこと?
このタイトルを見て、そう思われる方も多いと思う。
何を隠そうこれが2月12日の、神より与えられた私の役割であった。
この日の釣行は朝に弱い私には珍しく、午前3時40分より始まる。
友人のシーバスビギナー氏(彼のハンドルネーム)に誘われ、F.comのゲーリー氏
主催によるシーバスパーティーに出場した為だ。
(この内容は後日SALTのコーナーにてアップ予定・・いつになるやら・・)
散々な結果に終わり大和川下流域での寒風に襲われただけであった二人は、
事前に打ち合わせしてあった通りパーティーが終わると同時に、滋賀県の大戸川へ
向かう事になった。大和川下流を出発した時間は午前11時過ぎで、
現地到着は12時半頃である。
5時半スタートのパーティーから考えると既に6時間もの時間が過ぎており、
更にこれより半日TROUTをしようと言うのである!
馬鹿とでも、物好きとでも、何とでも言うが良い・・・正直自分でも堺より大戸川に
向かう名神高速の車中で、少し眠気のあった自分にこうつぶやいていた。
『 眠いんやったら寝たらええやん家帰って。多分それが普通やと思いますけどなー 』
確かにそうではあるのだが、簡単に言うとTROUTもしたくて我慢できなかったのである。
シーバスビギナー氏はと言うと、今日が初TROUTの為か熱の入りようが普段とは
数段違っており( いつも熱いお人ではあるが・・ )、この日の為にわざわざ
前日にウェーダーを購入!
ルアーも種類を揃えての満を持しての釣行であったのである!
要するに2人共どっかに致命的な欠陥があると言う事であろう・・・
それは良いとして、どうしてこの日の釣行を大戸川にしたかと言う事であるが、以前より
色んな方のホームページを閲覧させて頂き大戸川の名前を知ってはいたのだが、
一度も行ったことは無く、是非一度行って見たい管理釣り場であったし堺からなら
高速道路を利用するとさほど時間も掛からない場所であったからなのである。
しかし!
最近の釣行日記をネットで見ていても誰のホームページにも大戸川の日記は皆目無く、
一抹の不安のある釣行でもあった。( 現地に着き理由がわかった様な気がした )
そして無事現地到着!
現地に着きまずビックリ!車を止める場所が少ない!事務所(小屋?)前のスペースに
先行者の物であろう車が4台停まっており、我々の車を2台停めるスペースが
無い様な状況。(先行者の車の停め方も良くなかったが・・)それでも何とか車を停め
準備を始めていると、側の車から家族連れの御父さんらしき方が私に話しかけてくる
『 すみません。一つお聞きしたいのですけど、フライは竿を振って
ラインを出しているのですか? 』
いきなり専門外の質問にタジタジになりながらも、知っている知識で何とか答えると
今度は私から質問。『 ここどうですか? 』
お父さんからの答えは、ビンビンに張っている二人のテンションを一気にユルユルに
弛ませるに十分な答えであった。釣行前に聞く話としては最低の内容である!!
上流で工事を行っており、岩がたくさん砂で沈んでしまっている事、放流しているとは
言っているが放流量の極端に少ない事、アマゴも居る事にはなっているが見かけた事
も無い事等など・・・絶句である・・・
事務所のすぐ下の渓には岩はたくさん見えているのだが、下流に行けば行くほど底岩が
砂で埋もれているらしいのである・・・しかし!アマゴが居無ないとしても、ニジマスが
少ないながらも居る事は間違いないのだから、2人は何とかなると自分に言い聞かせ
緩んだテンションを少しだけ頑張って張り直すと、当日のプランをまずは考える事に。
プランとしては、入渓は少し下流で行い事務所の方に釣り上がる事に決定!
まずは道路を下流に移動する事に。そして少し移動し、出来たばかりの新しい橋の所で
親子2人のルアーマンと遭遇。
先程の会話で不安になっていた私は活路を求めようと、そして本日が初TROUTの
シーバスビギナー氏の゛何かやばそう・・・こんなん絶対ボウズ違うの?"と言う心の
声に一筋の光を与える為、勇気を持って声を掛ける 『 どうですか? 』
親子ルアーマンは答える。
『 全然駄目!寒いだけ! 』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?・・・・・・・・・・・・・・
更に勇気を出して再度質問 『 ・・・当りはありました? 』
『 全然駄目!寒いだけ! 』 もはやテンションどころではない・・・
シーバスビギナー氏の顔から血の気が引いていくのが横目に見える・・・
そしてシーバスビギナー氏が一言呟く
『 あかん・・俺今日マジでボウズ? 』
SALTに於いては最近、必ず毎月シーバスを釣り上げている程の実績を持っている彼
ではあるが、なんせ勝手がわからないTROUTは不安なのであろう・・と言うより、
私も相当不安であったのだが・・・
まずは不安の中、少し下流のトロ場から入渓し早速キャスト!何回かキャストを
繰り返すが当たりは全然無し。めげずに二人は更に下流のプールに移動し
(プールより下流を望む)
キャストを繰り返す、しかし全然当りが無い・・・しかも水質の悪さには正直驚いた
上流で工事をしていると言う事だが、水が結構濁っている。自然の渓流風管理釣り場と
言う事だが、渓流と呼ぶには難しく思う。
( 大戸川の水質、ウェーダーで歩ける ( 厳しい状況下でも初TROUTに頑張る
程浅いのだが底が見えない ) シーバスビギナー )
しかもニジマスの姿がいっこうに見えないのである、まだ1匹も見ていない・・・
二人は上流に移動する事に決定。こんな状況下でもシーバスビギナー氏は段々と
初TROUTに楽しみを覚え始め、『 面白い、面白い!! 』 と連発。
TROUT案内役の私としては、一応 ゛ 喜んでくれて良かった〜 " と、一安心。
しかし、最終的には釣り上げて貰わないと困るのである! 私は彼にTROUTの楽しみを
伝授する為、今日の過酷な釣行に招待したのであるのだから!
当りの無いまま上流の、新しい橋のある瀬にまで上がって来ると先行者のフライマンが
私の方を向き何やら指差す・・どうやら私に何やら伝えたいらしい。
近くに寄って話をして見ると、どうやら指差す瀬に大物が見えていると言うではないか!
この親切なフライマンは、この場所で一度ヒットしたらしいのだが
惜しいかな、バレたと言う事であった。
そして何と!もう帰るのでこのポイントを我々に譲ってくれると言うのである!
丁重に御礼を述べ、去って行く救世主の後姿をしばし眺めた後、言われるポイント
に移動・・・そして、目を凝らし水面を凝視すると・・・・居た!確かにニジマスが数匹
居るではないか!フライマンに心の中で感謝しつつ、シーバスビギナー氏(以降S・B)
にニジマスの位置を説明、そしてまずは赤/金ミノーSPにてキャスト!
しかし、反応が無い・・・暫くしてアップクロスを諦め、ニジマスの下流に移動し
二人してアップストリームに変更の上再度キャスト!・・・しかし反応が無い。
ルアーをスピナーに変更し、再度アップクロスでキャストしてニジマスの集団の鼻先を
通した時である。゛ ガツ " と言うロッドに伝わる重い感触、『 来たー! 』 っと
叫ぶと嬉しい大戸川初ニジマスとの豪快なファイトが始まった、水面下に光る銀色の
ボディーを見ているだけではそれ程大きくないのだが、意外に強い引きと必死に抵抗
する早い動きに驚かされながらも慎重に取り込み、記念すべき大戸川第一号をゲット!
( 元気に暴れたニジマス君 )
俄然二人の瞳は言い知れぬ光に輝き始める、『 いけるぞ! 釣れるぞ! 』
それからスピナーの反応が悪くなり始めた為、スプーンにルアーチェンジして再度
アップクロスでキャスト、S・Bもスプーンにチェンジしキャスト!そこで私はTROUT初の
S・Bにスプーンのフォールディングを教授、アップクロスでニジマスの集団の鼻先まで
来たなら巻くのを一旦止めてフォールディングさせ、底に着く寸前に又巻く様にすれば
来るよと教え、自らお手本とばかりにキャスト!
゛ ふっふっふ・・見ているが良い、私のテクニックを! "
そしてフォールディング・・バラシ!・・・フォールディング・・・バラシ!・・フォールディング
・・・バラシ!・・・悪夢の3連続バラシである!!
何と言う事だ!っと思っている私の横で今度はS・Bのロッドがしなる!
SALTでは数々のシーバスを上げているS・Bも、ニジマスの激しく細かい動きに緊張気味
『 落ち着いて、ゆっくりやで! 』と、私は叫びながらS・B初TROUT1号を
マイネットにてランディング。( 私より上手に合わせていた・・悔しいー )
( 幅のある立派なS・B初TROUT! )
そんなこんなで、それからポイントを変えず私がスプーンとミノーSPでそれぞれ後一匹
づつの合計3匹、S・Bが又もやスプーンにて後一匹の合計2匹を釣り上げ場所を移動。
( スプーンにて強引に合わせての ( 幅のある44cmの
大戸川第2号 ) 大戸川第3号)
その後は、あちらこちらにチラホラとニジマスの姿を確認できたものの、釣り上げる
事ならず。結局、新しく出来た橋と事務所までの間の数百m(2百mあるかな?)
にしか魚影が殆ど無い事に気付いたのであるが、既に周りは薄暗くなっており納竿。
釣果に関しては満足のいく結果では無いが、当日の時間の無さや魚影の薄さ、
水温の低さから見れば、まぁまぁな方だったと思う。
初めての大戸川はと言うと、釣行者も少なく(我々二人を入れてたった5名である)
少し寂れている感が隠し切れない・・・それに水質の悪さと、魚影の薄さ・・・
ただ、釣り上げたニジマスの魚体は、なかなか立派で引きも強く楽しかったのが
せめてもの救いか・・・
でっ、
初TROUTのS・Bの感想はと言うと、目は爛々と輝やかし
『 TROUT面白いわ〜 』を連発。
『 はまってしまった 』との事。
私の、まずの目的は彼にTROUTの素晴らしさを教える事であったのだから
大成功の大釣果と言うべきか・・
最後にシーバスビギナー氏の大戸川での勇姿をもう一度見て貰おう!
( アップストリームでニジマスの集団に闘いを挑むS・Bの勇姿! )