鳶の襲撃!


2004年5月某日上北山村

復活の第一戦を交える為、私が向かったのは上北山村であった。

例のごとく朝に弱い私は自宅を朝7時に出発、現地に到着したのが9時頃。

そこから永くも有り、流血有りの苦労の一日が始まるのである。

約1年半振りに美しい渓流を見て感動しながら、まずは中学校裏の堰堤より

攻めてみる事に、この場所は6月になるとダムより登ってきたノボリ事、

サツキマスがこれ以上登れずに溜まる場所で、その時期になると良く釣れると

人から聞いている場所なのであるが、まだ5月始めでもありサツキマスは

無理だろうけどアマゴは居るだろうと、一度攻めてみたいポイントだったのである。

しかし、国道から流れに降りて唖然・・・

水が少ない!!


 (中学校裏堰堤)

嫌な予感を感じつつまずは堰堤下の淵に到着、水量が少ないのは同じでは

あるが、淵である事もあり十分の水量。早速、大台山系レギュラー色の赤金

ミノーを選択しキャスト!最初は表層より攻め当りが無いのでシンキングに

チェンジ、しかし当りなし。作戦変更!底を狙う為スプーンにチェンジして

慎重に攻めるも又々当りなし・・・かれこれ1時間程経ち、

いい加減飽き性の私はこのポイントを捨て下流に移動する事に。

セオリーに反する事ではあるが、上流より下流に釣り下がる事を選択

良さげなポイントを見つけては投げ、又見つけては投げと繰り返しながら

今日一番心配していた事が現実になりかけている事に気付く。

゛ 一年半もブランクがあって、いきなりアマゴはやばいんとちゃう? "

相当あせっていく自分、全ての瀬、淵、落ち込み、流れ込みとキャストを続けるが

やはり当りなし・・・時間は既に12時前になっており『やば〜これマジでやばいで!』

と単独釣行である為、聞いてくれる人も居ず独り言。

そして、小さめの淵を見つけ一か八かの超ファストリトリーブで

狂ったようにミノーを泳がせると

゛ コン "と言う確かな、1年半もの永い間忘れていた感触!『来た〜〜!!!』と一人

叫びながら慎重に取り上げると、サイズは約20cmちょっとの


アマゴちゃんではないか 
!!

 
 (やっと釣れたポイント)                (復活第一号のアマゴちゃん) 

感動を抑えつつまずはデジカメで撮影、その後持ち帰ろうと思いある事に気付く。

久しぶりの釣行の為かクーラーバックを自宅に忘れていたのだ!! 仕方なく

ベストから非常用のスーパーのビニール袋を出して、大事なアマゴちゃんを入れると

下流に向かって気分良く歩きだしながら、本当に久しぶりのアマゴちゃんのビクビクする

引きを思い出し『来て良かったー』等と独り言、ルンルンの気分である。

しかし・・・・・・・

その時上空でルンルン親父の持つスーパーの袋に入ったアマゴちゃん

を狙っている鋭い眼光がある等とは勿論気づくよしもない。

10歩程歩いたであろうか? 急に足元が影で覆われ、その途端右後方より風を切る

凄まじい音が聞こえたかと思うと! いきなりっ! 本当にいきなりである!!

何やら黒い物がスーパーの袋を持つ私の左手にダイブしてきたのである!

『うわぁっ!!』

と言う声を出しながらも何が起こったか理解できない私の目に飛び込んできた光景は

獲物を取り逃がし悔しそうに上空に飛び上がる鳶だったのである。

ダイブされた左手を見ると、出血である!!鋭い鳶の爪に無残にえぐられ

損傷を受けた人差し指から大量の出血が・・・?

と言う事は無く、少しの擦り傷で済んだ事に安心しつつ腹の立つ鳶に石を投げるが

届く訳も無く、悪態をつきながら(勿論、次なる襲撃に備えて上空も監視しながら)

上空の鳶から急ぎ逃げる様に移動し、昼食の為一旦車に帰り昼食。

この辺りの反応のない事にうんざりした私は午後、小橡方面に移動する事を選択

水が少ないのはこちらも同じ、又奇妙な事に朝より釣り師を見かけたのは

たったの2度だけ、小橡では結局一度も釣り師を見ず。

状況が悪いのか、たまたまなのか、結局午後からは残念ながらウグイ3匹しか

釣り上げる事ならず・・・『鳶のせいかよ!』と、責任転嫁を始めたところで


(上北山ウグイ黄色い線が出てきています)

納竿(午後4時頃)、夕まずめを狙う元気も無く帰宅。

復活第一戦は完敗でした。