其の一 「忌み子」




「空の城」


荒んで荒れ果てた魔界。

騒がしくいつも叫び声が耐えない魔界。

その空は

ただ吹雪が吹いているだけで

音もなかった

信じられないくらい静かだった。

この空などに 生き物などいないと思われるほど。





「故郷」


何もかもが凍る故郷。

街も人も凍り

息も空も凍り

心も命も凍り

真実も嘘も凍る。


そこから捨てられたオレは 両の眼が凍っていた。

「耳」


厳かにざわざわと声が聞こえた。

オレを憎む声。

オレを恨む声。

オレを疎む声。

オレを忌み嫌う声‥。


その中で、ただひとつだけ泣き声がした。
オレは初めて聞き耳を立てた。


だが その声はすぐに遠くなっていった。


そして、


声は消えた。


「氷泪石」


外に出てきて

溢れて

流れて

落ちて

消える。


それは オレと同じだった。
「意味」


何故疎まれるのか

何故捨てられるのか

生まれる前から解っていた。


何故生まれたのか

何故死ななかったのか

誰も知ろうとしなかった。


「赤い眼の理由」


オレは忌み子。

ただ血を求め

ただ血を浴びて

ただ彷徨うだけの修羅。


眼には血の色しか映らない。



「盗賊」


宝を奪い

命を奪い

大切なものを奪い

生きている価値を奪い


それに気付かなかったため滅びなかった盗賊。


「探し物」


オレの探し物は三つ。

オレを捨てた故郷。

オレが捨てた石。

オレを彷徨わせる運命(さだめ)。



「式」


事が成り立つ。

事が犠牲になる。

命が成り立つ。

命が犠牲になる。

何かが犠牲になる。

それからオレが成り立つ。


ちょっと暗すぎましたね;;次はもーちょい明るくするよに勤めます。

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