衆議院選挙獲得議席予想報道 :2005.9.5
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昨日の朝日新聞に衆議院選挙戦序盤状況として各党の予想議席数が出ていた。
自民党が単独過半数を越える255議席となっており、僕の予想以上に自民党が
増えそうな状況のようだ。他社の調査でも、おおむね自民単独過半数の勢いとな
っている。民主党は改選議席を割る可能性があり、各地で苦戦している。
朝日新聞の予想中央値で、社民党が現有5議席を上回って8議席となっていた。
これは民主党に対する期待感が高まっていないために、皮肉にも社民党に支持が
残り、社民党の議席が増えるという現象が起きていることを示している。

民主党は、主張の中心を社会保障、特に年金に絞る戦力を取っている。また、最近
は、年金と関連して目的税として消費税のアップにも言及するようになった。今のと
ころ、これらの主張はある程度受け入れられているように見えるが、決定打となって
いない。

しかし、自民党に圧倒的に不利な状況が一つある。それは、小泉首相が、政権を維
持しても来年9月に任期切れで辞任することを明言していることだ。自公で過半数を
得た場合、小泉政権が継続するわけだが、その場合、郵政法案を再提出することは
約束できても、それ以降の税制や社会保障については責任を持って語ることができ
ない。そんな状況であるのに、郵政賛否だけを問う選挙と位置付け、以降のことは
すべて白紙委任してくれという戦いになっているのだ。こんな無責任な戦い方を認め
て良いはずがない。

ところで、今日、新聞の折り込み広告に自民党のビラが入っていた。比例区近畿ブロ
ック用にきちんと印刷されたビラである。
読んでレベルが低いことに驚いた。近畿ブロック用の公約らしき項目が並んでいる中
に、主語が何かがわからない次の文章が書いてある。
「神戸空港が、平成18年2月16日、開港により兵庫県、関西圏の活性化が、神戸空
港・大阪空港・関西国際空港、各々の役割を果たしながら、日本の発展に大いに寄与
するものと確信しています。」(ビラをそのまま引用)
主語がわからない文章も問題だが、内容はもっと問題だ。公約らしき文章の最初に行
財政改革が謳われているのに、途中に出てくるのは、空港や道路が中心なのだ。各々
の役割が明確でないのに地元の要請だけでばらばらに空港を作るようなことを許さない
ことが、行財政改革の基本ではないのか。それなのに、このような項目を無反省に並べ
ることに、「改革」と一言書いておけば騙せると考える自民党のおごりを感じる。
この無批判な体質が、公明党への比例票の分配を可能にするのだろう。

選挙戦の後半に一つ一つの問題が明らかにされれば、調査報道と全く異なる結果になる
こともあり得ると考える。