衆議院選挙公示前の民主党 :2005.8.21
戻る
衆議院解散の日に書いたように、今のところ小泉首相が有利な展開になっている。
民主党は郵政民営化反対をメインの主張にして戦うことはできないので、どのような
ことを中心テーマとして選挙を行うのかに興味を持っている。17日に民主党岡田代
表が奈良県選挙区を回ったので、第4区に来た時に岡田代表の演説を聞いた。
主張の中心テーマは今までと同じく政権交代であった。細川・羽田内閣では実力不
足ですぐに政権を手放すことになったが、以降、政権獲得に向けて準備してきてよう
やく本当に政権を担える政党になったということだった。
郵政は、一人当たりの貯金上限を1000万円から700万円に下げ、確実に民間に
お金が流れるようにする。財政においては、17兆円削減し、7兆円を増加させる。つ
まり、無駄な支出を減らす一方で、子育て・福祉等の重点部分は増加させるという話
があった。マニュフェストに書かれていることであるが、直接話を聞くと、重点を置いて
いるところがよくわかり面白かった。話がなかったのは外交問題である。おそらく、票に
つながりにくいと考えているのだろう。
民主党は政権交代によって政財官の癒着を断ち切り財政改革を実現するというのが、
受け止められやすい主張だし、最も期待されていることだと思う。
岡田代表の話はまずまずだったが、その前の前田参議院議員の話は、新しい改革を
目指すこととは程遠い情けないものだった。奈良第4区から出馬する森下豊氏を応援
するための話の内容は、森下氏の父を知っていて、「お父さんに豊君を国会議員にしま
すと約束した」、その約束を果たさせてくださいというものだった。森下氏は自民党を離
党してからまだ1ヶ月も経っておらず、自民党体質からどのくらい離れているかが非常に
重要なのに、前田氏同様の古い体質そのままであることを印象付けた。森下氏自身も、
自民党に良い面もある、政権から落ちれば悪い面に気づいて変わるだろう、という話をし
ていて、今は民主党に移ったが、また少し状況が変われば自民党に戻ってもいいような
口ぶりだった。県会議員だったから街頭演説も慣れているようで、軽薄にぺらぺら話して
いる印象が強かった。前田氏の後援会を中心にし、一般の選挙民の方を向いていない
状態で支持が得られると考えているのだろうか。面白くないことだが、第4区の勝負は
既に付いている。