ロンドン同時爆破テロ事件 :2005.7.10
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7日にロンドンで同時爆破テロ事件が起こり、死者の数は50人以上に上っている。
犯人グループについてはまだわかっていないが、イスラム過激派の可能性が高い
とされている。
このようなテロが何らかの問題解決につながっているとは考えられず、むしろこのテロ
への報復で、イスラムの人々に被害が及ぶ可能性の方が高い。したがって、自己満足
の犯行でしかなく、非難されるのは当然だ。
しかし、この事件が、アフガニスタンやイラク、パレスチナの状況に目を向け直す機会と
なることは否定できない。また、先進国の人々の死とイスラムの国の人々の死が同じ重
みで捉えられているかどうかといった非対称性・不平等性を改めて考えると、このように
考えさせる機会を作ったという意味が全くないとは言いきれない。
つまり、このようなテロが現状に目を向けさせる効果や不公平さを訴える力をわずかに
でも持ってしまっているのである。
そして、その背景には、僕たちが不当なアフガニスタン攻撃やイラク戦争を止めることができ
なかっただけでなく、ほとんど関心すら持っていないことがある。
今のままでは、テロの意義は維持されてしまう。不当な先進国の行いを改めさせ人の命の
重みが同じように扱われる状況を作り出すことが、テロの意義を奪うことになる。