京都自由大学講義 (5月28日) :2005.6.17
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【日時】 2005年5月28日(土)19:00〜21:00
【場所】 京都三条ラジオカフェ
【講師】 静岡大学助教授 熊谷滋子氏
【テーマ】 新聞投書にみるジェンダー

熊谷さんは、新聞投書の文体や内容に、男女の投稿者の意識の違いがどのように
現れているかを調べているそうだ。私は穏やかなジェンダー論をはじめて体験した。

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■投稿数と掲載数の変遷
 ・投稿数率 1956年 男性84% 女性16%
           2003年    60%    40%
 ・掲載数率 1946年     91%     9% ・・投書婦人と揶揄された
         1956年    82%    18%
         1990年   66%     34%
         2004年   47%     53%

■「です・ます」の使用と身内への言及
 ・女性の投書は、「です・ます」調が多い。
  また、家族や知り合いを登場させることが多い。
 ・男性が妻を登場させることは非常に少ない。

■山一證券自主廃業をめぐる投書の分析
 ・朝日、毎日、読売に掲載された全60通を分析
 ・批判      男性30通  女性 5通
 ・個人的体験 男性6通 女性6通
   男性は仕事の経験に照らし合わせてのものが多く
   女性は山一の窓口にいた人に対する気持ちなど外からの体験が多い。
 ・励まし・同情 男性3通 女性12通
 ・上記の傾向は雪印加工乳事件、雪印牛肉偽装事件でも同様

■投書に見る性別役割分業
 ・男性:公的な領域中心・・・組織/企業/体制批判
 ・女性:私的な領域中心・・・家族関係、人間関係志向
 ・両方の視点が大切だが、一方の性に偏っていることは何を意味するのか。