京都自由大学講義 (5月7日) :2005.5.16
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【日時】 2005年5月7日(土)19:00〜21:00
【場所】 京都三条ラジオカフェ
【講師】 立命館大学 宇津木氏
【テーマ】 最近の中国事情 〜「反日」のみでない隣国の姿を知ろう〜

中国をどう付き合うかというのは、今後さらに重要な問題になると思うが、中国の見方に
ついては様々あるし、どういう人も一面を知っているにすぎないだろう。
特定の意見だけを受け入れるのでなく、幅広く知ることが必要なのだろうと思う。
そういう意味で、この講義は役に立った。

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■3度の中国長期滞在経験から
 ・1回目(1987〜88) 友人に毛沢東を批判する話を始めると友人は窓を閉めた。まだ文化
  大革命の影響が色濃く残っていた。
 ・2回目(1993〜94) 市場経済が急速に進展。”面的”(ワゴン型軽自動車タクシー)が北京で
  流行ると少しのタイムラグの後、天津にも拡がる。サービスがお金になることを知り始めた。
 ・3回目(2001〜02) 都市化・情報化

■中国を見ていく視角
 ・現在の中国は3つの世紀(19世紀、20世紀、21世紀)が同時に存在していると
  考えると理解しやすい。
 ・ある一面を見て非常に遅れていると判断することや、別の一面を見て中国を過大評価し
  脅威を強調しすぎたりすることは、共に誤っている。

■活気あふれる社会状況と直面する課題
 ・偽物横行など儲かれば何でもありの状況はまだある。
 ・ITは急激に広がっている。”網民”(インターネットする人)が1年で600万人増加・・02年
 ・「美人」の流行:美人作家ブーム・・・個人生活の重視と余裕
 ・1元=12円くらいだが、生活感覚では1元が100円くらいの感じ。例えば大学教員で5000元
  くらいの月給だが、日本での月収50万円くらいの生活水準。

■その他
 ・1元=12円くらいだが、生活感覚では1元が100円くらいの感じ。例えば大学教員で5000元
  くらいの月給だが、日本での月収50万円くらいの生活水準。
 ・原発は推進・・電力不足を急速に解消したい。
 ・香港に1990年ごろ行った時は天安門事件の影響でピリピリしていた。
 ・東アジアに大学統一入試をする国が多い。(ヨーロッパにはない。)
  統一入試の問題に、その国が行っている教育内容が反映されているので、見る価値がある。
 ・統一入試問題に愛国的な問題もあるが、試験は試験と割り切っている若者も多い。
 ・日本には、ずっと中国古典文化に対する尊敬の念があったが、最近薄れてきている。
  (昔の帝国大学にも中国古典文化の講座があった。中国古典文化は尊敬するが、現状の中国は
   蔑視)
 ・中国人の言葉に、「上に政策あれば、下に対策あり」というのがある。政府が何らかの政策を出して
  きても、大衆は対処する知恵がある、というような意味らしい。