哀れな高松塚古墳 :2005.4.22
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文化庁の検討作業部会が、高松塚古墳の壁画保存のために石室を解体するという
意見をまとめたことが報じられている。壁画保存とはいえ、石室解体というのは尋常で
はない。壁画が発見されてからの高松塚古墳の状況を思うと、悲惨な状態は今に始
まったわけではない。

壁画の発見は1972年3月の出来事で僕は小学校3年だった。そして温度・湿度を
管理した保存施設が完成したのが1976年3月らしい。
僕は小学校5,6年に学校の社会クラブに入っていて一度、先生に明日香・橿原の古
墳を自転車で連れて行ってもらった。そして、小谷古墳や菖蒲池古墳といったおもしろ
い古墳を教えてもらった。それ以降、特に中学や高校の頃、頻繁に自転車で明日香に
出かけたものだ。
しかし、よく行く好きな場所に高松塚古墳は含まれていなかった。もちろん、高松塚
古墳の前には行ったことが何度かある。最近は周辺が整備されたが、昔は一直線の
急な坂道を上がるのが普通の行き方で、坂道を上がっても古墳がどこにあるのかわか
りにくい不思議な空間だった。この空間は魅力的なものだったが、古墳に向き合うと
この魅力的な雰囲気が、一挙に違和感のあるものに変わってしまった。
古墳の入り口にセメントが見え、大きな分厚そうな扉が2枚付いていた。とても古代に
思いをはせるような代物ではなかった。だから、今になって、石室解体で古墳の姿が
失われるという議論を聞いても、既に昔から失われていたという思いの方が強い。

壁画が劣化しようができるだけ元に近い形で埋めなおしておいてくれたら、中高生
時代のお気に入りの場所になっていたのかもしれない。
高松塚古墳は保存施設を整備した時から既に悲惨な状態にあったことが新聞の視点
に欠けている。このことから見直すべきだ。

(追記)
こんなひどい姿の古墳でも、壁画を保存するには止むを得ないのだとおそらく多くの
人が我慢してきたはずだ。それなのに、壁画は色褪せ、カビがはえ、ムカデの死骸が
そばにころがっているような状態になってしまっている。

文化庁のHPを見ると次のような記述があった。
  「壁画の状態については、発見以来行われてきた保存措置によって約30年の間
   安定した状態で推移したため、ここ10年は年1回春の時期に定期点検を行って
   いた。しかしながら、平成13年2月に石槨前の取り合い部壁面強化工事を行っ
   た後、同年9月に1年半ぶりに定期点検を行ったところ、石槨内に複数種の黴が
   発生する状況となったことから、点検回数を増やし黴の早期発見とその処置に努
   めてきたところである。」
つまり、平成13年の工事が原因らしいことがほのめかされている。
でも、文化庁のHPの他の箇所を見ると、昭和53年からカビ発生の記述があり、根本的
な問題であったことがわかる。
この保存施設の構想が誤っていたのか、施設が欠陥だったのか、管理の問題か、
あるいは、不必要に人の出入りを増やしたことはなかったか。正確な情報はわからない。
特に最後の点について、文化庁(文部科学省)は、正確なところは公表しないだろう。
ここは内部告発に期待したい。


以下は、文化庁のHPより

国宝高松塚古墳壁画保存管理の経緯
[1] 昭和47年(1972)〜昭和56年(1981)
昭和47年
3月1日〜
明日香村が事業主体となり、奈良県立橿原考古学研究所が担当して高松塚古墳の発掘調査が開始される。

3月21日
壁画発見。

3月21日
奈良県立橿原考古学研究所による壁画発見の報道発表及び文化庁への正式報告。

4月6日
壁画の保存に関する当面の措置について科学的な調査研究を行うことを目的として、歴史学・考古学・美術史学・保存科学・土木工学の専門家による、「高松塚古墳応急保存対策調査会」第1回を開催し、現地調査を実施。微生物調査の結果、黒斑点を作る菌数種(Altenariasp.,Cladosporium sp.,Nigrospra sp.)や緑斑点の菌(Tricoderma viride)が同定された。

4月17日
「高松塚古墳応急対策保存調査会」による第2回現地調査。・緊急処置として天井星宿等10カ所にアクリルエマルジョン(プライマルAC34)にて剥落止め。微生物調査。・カビ対策としてパラホルムアルデヒドを布置。

6月17日
史跡指定(昭和48年4月23日、特別史跡指定)。微生物調査。

7月29日
「高松塚古墳応急保存対策調査会中間報告」を文化庁に提出。

8月21日
「高松塚古墳総合学術調査会」を設置。

9月25日
石槨上の覆土除去作業開始。石槨前方に空気を遮断する仮施設(前室)建設。

9月30日
〜10月12日
総合学術調査実施(応急保存調査を併行)。

10月7日
〜10月13日
フランスのラスコー洞窟壁画保存の研究者であるY.M.フロワドボー(フランス文化省歴史記念物主任調査官)、J.フォシオン(パスツール研究所地中微生物・生物化学部長)両氏が来日し、現地調査。

11月29日
第6回「高松塚古墳応急対策保存調査会」。「高松塚古墳応急保存対策調査会調査報告」を文化庁に提出。

12月18日
「高松塚古墳保存対策調査会」第1回開催。「保存施設部会」と「壁画修復部会」を設置。

昭和48年
1月〜2月
壁画保存方針策定のため文化庁及び東京国立文化財研究所担当官をイタリア・フランスに派遣。

5月24日
「高松塚古墳保存対策調査会」第2回開催。保存施設は公開ではなく、保存・修理施設と確認。

8月
壁画模写開始。

10月10日
P.モーラ(イタリア中央修復研究所主任技術者)氏来日。予備的実験を実施。接着剤として、パラロイドB72を使用することとする。

10月14日
「壁画修復部会」において壁画修復の基本方針を確認。壁画の歴史的・美術的な意義、保存環境の変化による影響変化への懸念、剥離作業の技術的な困難さ、等から。
昭和49年
3月
壁画模写完成。
修理技術研修のため東京芸術大学から担当者をイタリアに派遣。

4月17日
壁画4面を国宝指定。

8月
保存施設設置に伴う発掘調査実施後、保存施設工事着工。

昭和50年
3月〜7月
修理技術研修のため東京国立文化財研究所の技官をイタリアに派遣。
微生物調査。石槨内でそれまで認められなかった糸状菌(Doratomyces sp.,Fusarium sp.,Cladosporium sp.,Mucor sp.)を採取。

4月23日
第5回「高松塚古墳保存対策調査会」にて、壁画修理計画を了承。

昭和51年
2月16日
〜28日
壁面の損傷・構造調査、剥落止めの試行。
(この間、修理実施に備えた打ち合わせ、検討等準備作業を進める)。

3月29日
保存施設竣工式。

7月23日〜31日
修理のための調査。

8月24日
壁画修復部会。壁画の損傷状態の調査結果を報告。修理仕様と修理計画について了承された。

9月2日〜10日
第1次修理作業開始。東西壁の盗掘口付近にて接着試行。

9月26日
〜10月10日
保存修理(天井主体に剥落止め)。

11月5日〜16日
保存修理(天井主体)。

12月15日〜24日
保存修理。パラロイドB72のほか、接着剤としてプライマルAC55及びエマルジョン(AC55に微量のアンモニアとプライマルASEを溶かしたもの)を天井部分に試用。
この時期、ムカデ等の虫類侵入がしばしばあり。取合部にカビが発生している。

昭和52年
1月6日〜15日
保存修理(主に天井)。布置したパラホルムアルデヒドは完全に気化。

2月5日
〜15日
保存修理。P.モーラ(イタリア中央修復研究所主任技術者)氏を招聘、意見交換。接着剤は原則としてパラロイドB72とすることを確認。

5月
『高松塚古墳壁画修理報告書』(中間報告)作成。

10月25日〜28日
既修理箇所の点検。微生物調査。

昭和53年
9月19日〜30日
第2次修理事業開始。この時は天井と東壁南側の剥落止め。

10月12日〜22日
保存修理(天井と西壁南側、東壁一部)。

11月7日〜18日
保存修理(前回同様)。
カビ処置(ホルマリン1:エタノール9の溶液をこの時以降使用)。
カビ:東壁 左端男子の緑色衣上(灰色)。盗掘口近い下方。
   西壁と天井の南端。

12月5日〜16日
保存修理(主に東壁)。カビ処置。
カビ:東壁 男子群像左端像衣部9箇所。右から2番目像の衣に3箇所。南方下方。
青龍首剥落部。青龍後方の汚濁部分。女子群像部分(灰色)。
   西壁 月像下部から右上部にかけて10箇所程度。
      男子(左から2人目)緑衣裾部ほか広範囲。天井近くの漆喰木口部。

昭和54年
6月9日
点検。

10月30日
〜11月10日
保存修理(主に東壁)。
微生物調査(東西壁においてDoratomyces sp.,外を同定)。目視ではカビは微量。

12月4日〜15日
保存修理(東壁主体)。
石槨内に極小の虫類多く確認。
カビ:東壁 南壁接点下部のみ。

昭和55年
1月11日〜23日
保存修理(東壁と天井)。カビは天井の一部のみ。

2月13日
〜23日
保存修理(天井と東壁)。微生物調査(広い範囲でDoratomyces sp.,外を同定)。但し目視では大きなカビは認められず。

11月10日
〜22日
保存修理(主に西壁)。
微生物調査。カビ処置。
カビ:微生物調査(広い範囲でDoratomyces sp.,Streptomyces sp.外を同定)。
    西壁 白虎の前方石の切れ目まで、天井近くまで。ネット状に伸びる糸状菌も。

12月10日
〜29日
カビ処置。
カビ:東壁 汚濁部上方。
   西壁 前回とほぼ同域、白虎の上下。

昭和56年
1月9日
〜21日
保存修理(東壁南側)。
カビが石槨内の広域に発生。取合部でも右上奥の積み石上方に白綿状カビを確認。カビ発生箇所に防黴剤TBZを試用。微生物調査。防黴試験。
カビ:東壁 左端像緑衣裾部(灰色綿状)、及び頭部後方。右端像の胸部(同)。
      青龍の左目周辺(同)。青龍の全面に白い粒状。
   西壁 白虎左胸から前肢付け根。左肢より下方の広い範囲。白虎と日像の間から南方天井まで。
      男子群像部ほぼ全面(灰色綿状)。顔辺りから天井近くは白色粒状。

2月8日〜19日
保存修理。
彩色部以外の部分にカビ大量に発生。ホルマリン溶液、TBZ溶液ともに効果無く、改善が見られない。微生物調査。トリクレンにてカビ処置。
カビ:石槨内ほぼ全面に白い粒状菌。

6月29日
〜7月3日
第3次修理事業開始。
白粒状のカビは認められず。灰色の綿状カビは収束せず。パラホルムアルデヒドの燻蒸殺菌を開始。微生物調査。


[2] 昭和57年(1982)〜平成12年(2000)
昭和57年
10月5日
〜9日
保存修理(北壁)。
カビ処置。
カビ:天井と西壁の南壁近くに菌糸状。
昭和58年
5月30日
〜6月7日
保存修理(西壁)。
カビ処置。
カビ:東壁 男子群像の右方に白色。
   南壁 一部に黒いカビ。

昭和59年
10月23日
〜11月3日
点検、保存修理。
カビ処置。
カビ:北壁 玄武上方右に糸状菌
昭和60年
9月3日
点検。異常なし。
昭和61年
7月28日
〜8月2日
点検。異常なし。

12月17日
〜25日
点検、保存修理。
カビ処置。
カビ:北壁 東側下方を中心に胞子の黒いカビ。
昭和62年
1月12日
点検。異常なし。

3月
『国宝高松塚古墳壁画−保存と修理−』(文化庁監修 第一法規出版)刊行
昭和63年
6月10日
〜10月11日
点検、保存修理(東壁、西壁、北壁)。
平成元年
12月21日
点検、保存修理(東壁)。カビ処置。
カビ:西壁 男子群像青衣上に白色(微量)。
平成2年
2月19日
〜21日
点検。異常なし。
平成3年
12月16日
〜20日
点検。異常なし。
平成4年
12月15日
〜18日
点検。異常なし。
平成6年
2月28日
〜3月4日
点検。
カビ処置。取合部天井からの崩落大。
カビ:北壁 玄武の下方に黒い粒子状。 床の虫に青カビ。
   東壁 青龍前肢。 
   西壁 女子黄裳下。白虎顔の前に黒粒子。
平成7年
3月28日
〜31日
点検。異常なし。
平成8年
3月25日
〜28日
点検。異常なし。
平成9年
3月24日
〜28日
点検。
カビは盗掘口の上面のみ。
平成10年
3月23日
〜27日
点検。異常なし。
平成11年
3月23日
〜26日
点検。異常なし。
平成12年
3月21日
〜23日
点検。異常なし。但し、取合部天井の崩落は断続的に続いている。


[3] 平成13年(2001)〜平成16年(2004)
平成13年
2月13日
〜3月23日
取合部及び石槨躯体壁両脇崩落部分の強化工事を実施。
石槨(露出部分)の強化。版築壁の強化。崩落空洞部修復。
側壁の擬土仕上げ。

3月26日
〜29日
点検。
取合部施工部分を中心に夥しいカビの発生を確認。エタノールによるカビの殺菌と除去。壁画の点検は延期。
微生物調査。Penicillium sp.、Aspergillus.sp.、Fusarium sp.のほかCladosporium sp.が検出された。Cladosporium sp.は近年確認されていないものである。

4月24日〜
取合部点検のみ。
カビ収束せず。

5月7日〜9日
取合部点検のみ。

7月9日〜17日
取合部。カビ処置。防黴剤「コートサイド123」を試用。

9月10日〜14日
取合部点検。カビの発生はわずか。

9月20日〜21日
取合部の微生物調査。取合部のカビは確認されず。

9月26日〜29日
石槨内点検。
密閉していた石槨内にもカビ発生を確認。「コートサイド159」でカビを除去し、同剤を石槨内床面に噴霧。微生物調査。
カビ:南壁 盗掘口の内側下方、東西壁中央やや北寄り。
      特に東壁の土砂による汚染部。
(Penicillium sp.を主に、Aspergillus sp.のコロニー、バクテリアなどを検出)

12月18日〜20日
点検。
防黴剤の効果持続せず。取合部、石槨内にカビ大量発生。エタノールによりカビ処置。
微生物調査(Fusarium sp.,Cylindrocarpon sp.,Gliomastix sp.を検出。)
カビ:東壁 青龍の頭部から前肢にかけてを中心に広範囲に。
      青龍後方の汚濁部分(以上、灰白色の綿状)
      女子群像左女子の腹部下部から下方。
      青龍後方の汚濁部分(以上、灰白色の綿状)
   西壁 女子群像の下方。白虎の下方。
      男子群像の左下方(白色)。
平成14年
1月7日
〜10日
取合部と石槨内のほぼ同一地点に白いカビ。エタノールにより除去、消毒。パラホルムアルデヒドの気化率を測定。微生物調査(Penicillium sp.,Fusarium sp.)。

1月27日〜29日
点検。
石槨内にはカビ確認されず。微生物調査。石槨内床面清掃、消毒。

2月25日〜27日
取合部のカビ減少。

3月27日〜29日
点検。異常なし。

7月16日〜19日
点検。異常なし。

9月9日〜12日
点検。カビ処置。撮影。
カビ:西壁 男子群像下方に微量の青色カビ。

10月27日
〜11月1日
点検。
取合部と石槨内に複数種のカビの多量発生。
カビ:東壁 青龍の後方の汚濁部と女子群像下方に黒色の粘性の強いカビ。
   西壁 白虎の下方(黒色で点状)。
      石槨内にムカデやワラジムシの死骸が10匹余あり、カビに覆われているもの多し。

10月28日〜31日
撮影。

11月7日
点検。石槨内でムカデ・ワラジムシ・クモ・アリ等20匹前後。

11月10日〜15日
点検。前回程度の虫の死骸を採取。壁面水分率調査。

11月28日〜29日
点検。

12月9日〜11日
点検。顔料分析。撮影。
平成15年
1月6日〜8日
点検。

1月30日〜31日
点検。

2月17日〜19日
点検。

3月18日
「国宝高松塚古墳壁画緊急保存対策検討会」(以下、「検討会」)第1回検討会を開催。

3月24日
「国宝高松塚古墳壁画緊急保存対策検討会作業部会」(以下、「作業部会」)メンバーによる現地調査(壁面調査・墳丘調査)。

3月25日
検討会委員による事前現地調査(壁面調査・墳丘調査)。

3月27日
第1回「作業部会」。
・ 検討すべき事項の洗い出し、調査すべき項目・作業内容について検討。

4月11日
第2回「作業部会」。
・ 今後採るべき調査・作業項目リストの作成。

4月21日
第2回「検討会」。
・ 「作業部会」策定の緊急保存対策に係る調査方法、壁画保存修理等について検討。
・ 墳丘に関わる調査・対策の必要性から、「作業部会」に地盤工学、竹等の植生の専門家の追加決定。
・ 「作業部会」への要請事項
  カビ痕の除去についての技術開発。
  基礎的な調査・測定の継続。

4月22日
〜24日
点検。取合部・石槨内ともにカビは確認されず。虫の死骸多数。墳丘部の植生及び地形調査。

5月9日
第3回「作業部会」。
・ 墳丘部と石槨内の影響関係を中心に意見交換。

5月18日
墳丘部の電気探査、墳丘部及びその周辺の測量を開始。

5月21日
〜23日
点検。「作業部会」メンバー及び漆喰壁専門家による壁面調査。
壁面の状況を詳しく観察し今後採りうる処置方法について検討。

5月22日
第4回「作業部会」。

5月29日
墳丘部上の枯れたモチノキ3本の伐採。

6月19日
第3回「検討会」。「作業部会」報告を受け、報告書の策定。

6月26日
「国宝高松塚古墳壁画緊急保存対策検討会」報告書『国宝高松塚古墳壁画緊急保存対策について』を文化庁に提出。

7月15日〜17日
点検。

9月16日〜18日
墳丘部防水工事を開始。水位計を設置。電気探査。タケの伐採。

9月29日
〜10月1日
点検。

10月26日
〜10月30日
点検。北壁の水分分布調査。保存施設内各室の浮遊菌、及び塵埃調査

11月18日〜21日
取合部防黴工事。

11月26日
点検。

12月1日〜3日
点検。

平成16年
1月7日〜8日
点検。石槨内間隙部のステンレスウール充填作業。

1月26日
点検。

2月23日〜25日
点検。カビ処置(以後、発生したカビは初期段階で処置)。カビはカビ痕に微量発生。微生物調査。
カビ:東壁 青龍後方汚濁部分。
   西壁 女子群像直下。白虎後方、男子群像足許

3月15日〜17日
点検。カビ処置。微生物調査。
カビ:東壁 青龍後方汚濁部分。
   西壁 白虎前方、男子群像足許。

3月23日
第4回「国宝高松塚古墳壁画緊急保存対策検討会」。緊急保存対策の報告。

4月5日〜7日
点検。カビ処置。微生物調査。
カビ:東壁 女子群像の北側(白色と緑色)。
   西壁 白虎後方(緑色)。

4月26日〜28日
点検。カビ処置。微生物調査。
カビ:東壁 青龍後方汚濁部分、女子群像北方。
   西壁 白虎前方、男子群像足許。

5月19日〜20日
点検。壁面水分率調査。微生物調査。
カビ:東壁 青龍後方汚濁部分、男子群像下方。日像と天井の間。

6月
『国宝高松塚古墳壁画』(文化庁監修 中央公論美術出版)刊行。

6月4日
第1回「国宝高松塚古墳壁画恒久保存対策検討会」。

6月14日 
第1回「国宝高松塚古墳壁画恒久保存対策検討会作業部会」。

6月15日〜16日
点検。壁面損傷調査。カビ処置。

6月22日〜24日
点検。壁面損傷調査。
カビ:東壁 男子群像下南方。

7月14日〜16日
点検。カビ痕除去。石槨内にてムカデ外16匹捕獲。
カビ:西壁 白虎前肢付近(茸状)。