橿原市の選挙 :2003.10.14(追記 2003.10.20)

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僕の住んでいる橿原市では、10月12日告示で、市長選挙と市議会議員補欠(2人)
選挙が行なわれている。投票日は19日だ。

《市長選挙》
市長選挙は、現職と新人の争いになっている。
現職の告示日の出陣式には、奈良県知事や奈良4区の衆議院議員、その他、自民系の
参議院議員などが集まったそうだ。現職市長は、八木駅南側の開発で、民間の力を活用
する方式の採用を決めたが、企業の構想にクリニックが入っていることがわかると契約を
破棄し、方式自体が破綻した。これは後援会が、医師会を中心とした組織であることが影
響していると見るのが自然だろう。特定の力のあるものには逆らわないというのが現市長の
市政方針だと思う。これをどう考えるかは市民の問題だ。
対抗する新人は、マニフェストを公表しているようだが、残念ながら僕は全体を見たことが
ない。新聞で見て覚えているのは、「橿原市の人口を10万人増やすこと。市長の報酬を3割
削減すること。今年から始まったごみの有料化を無料に戻すこと。」がある。どれも賛成でき
ない。どちらを選択すべきか、非常に難しいが、19日までに選択しなければならない。

《市議会議員補欠選挙》
欠員が2名のところに4名立候補している。
共産党の元職、約3年前の市議会議員選挙で次点で落選した人、同じく3年前に落選した
女性(なぜか市長選に出ている人の奥さん)、30歳の元オンブズマンの男性。
過去2回の補欠選挙では女性が当選している。今回も女性候補が有利だと思ったが、ポス
ターを見て驚いた。名前と写真のみ。政策もキャッチフレーズもない。バカにしているとしか
言いようがない。これはかなりマイナスに働くのではないか。また、夫婦で市長選と補欠選
挙に出るのも前から予想はしていたけれど、あまり好ましく思われないのではと思う。
共産党は、前回(3年前)3名立候補して、1名しか当選しなかった。過去の市議会選挙を見
ると共産党の票は4000票程度だ。今回補欠選で立候補者が少ないので、少し増える可能
性があるが、当選ラインが1万票くらいに上がると苦しいのではないかと思う。さらに、今回の
告示日のポスター貼りは、共産党にしては異様に遅かった。組織として動けていないのかも
しれない。
元オンブズマンの立候補者は、少し知っている人で、今回告示日のポスター貼りを手伝った
(だから共産党の遅さがわかった)。公約があまり納得できない面があり、どこかで本人と話
がしたいと思っている。例えば、「八木駅前を公園にして、野外市議会場を」という訴えは、市
民の共感を呼ぶだろうか。おそらく共感を呼ばないだろう。もっといろいろ学ばなくてはいけな
いと思うが、何かをやろうという気持ちを今は評価している。(少し甘すぎるでしょうか。)

総選挙が近づいた中で、政治への関心という意味では高い時期に行なわれる。市長への批
判票はどのくらいあるか。若さはどれくらい好意的に受け止められるか等にも関心を持って、
この選挙を見ている。

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(追記 2003.10.20)
開票結果
《市長選挙》 現職 安曽田氏 20741票  新人 水本氏 12559票
 今回の選挙は、投票率35%と低かった。総選挙が近くなっていてもこの程度だった。原因
 として、前回と同じ組み合わせの選挙となり、新味に欠ける面があったことや、新人の政策
 が的外れのように見えることなどがある。でも、行政の長を選ぶ選挙の投票率がこの程度と
 いうのは、候補者の擁立も含めた市民の問題だろう。たとえ、投票したいと思う人がいなくて
 も、無理にでも選択していかなくてはいけないのではないか。
 
 今回のように投票率が低いということは、組織力のある方が有利である。それにもかかわらず、
 組織力のない水本氏が現職市長の6割程度の票を得たことは、現職市長への批判がかなり
 強いことを示している。八木駅南側開発や、市町村合併に何らかの影響が出るだろう。また、
 今回の結果によって、安曽田市長の次回出馬は無くなったと考えて良いだろう。

《市議会議員補選》 水本秀子12823票  奥田寛(元オンブズマン)7005票 ・・・・・2名当選
             馬場前(共産) 6467票    湯村俊武4812票
 補欠選挙では、女性候補の3連勝になった。でもこれでいいのかと疑問を持つ。上にも書いた
 が、ポスターには名前と写真のみ。選挙公報に書いているものは、24時間体制の子育て110番、
 介護110番くらい。言葉を軽視する姿勢は、市民を軽視する姿勢だと僕は思う。こんなポスター
 や選挙公報でトップ当選してしまうなんてとても虚しい気分だ。
 元オンブズマンの奥田氏は、若さが効いたことと元オンブズマンということがプラスに働いたの
 だろう。一応応援したので、今後を見ていきたいと思う。
 共産党は票を伸ばすことができなかった。投票率が低かったために当選ラインが僕の予想より
 低かったが、それでも届かなかった。選挙ポスターを初日に貼った時に、共産党のポスターを
 貼っている人を見ると、かなりの年配の方(70歳?)だった。支持者の高齢化が進み、勢力が
 徐々に弱まっていることを感じる。共産党は地方では唯一の野党として存在していて、各地で
 共産党が弱くなることで全く野党がなくなることになる。その点が心配だ。