最近の新聞記事から(11/29〜12/9) :2004.12.13   
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【1】橋本高知知事5選(11/29)
 ・県議会の辞職勧告決議を受けた知事の辞職を受けて、高知県知事選挙が
  行われ、橋本知事が再選された。
  ⇒今回の辞職勧告は、橋本氏の選挙資金問題による。橋本氏の最初の選挙で
  選挙事務局長が後援会長に1億円借りて選挙資金に使い、その返済資金を
  県営ダム工事を談合で受注した建設会社から調達したという疑惑である。
  ⇒疑惑はかなり深刻ではあるが、追及する側が改革の抵抗勢力とも受け取られ
  ていることから、改革派としてのイメージはまだ強く、今回も勝利した。
  ⇒私は、知事の4選以上の多選には反対だ。したがって、03年の選挙では
  他に改革を引き継げる人物を探す努力をすべきだったと思う。しかし、この選挙で
  自公が多選批判に重点を置いたのは間違いだ。なぜなら、多選批判は03年の
  選挙では重要だったが、辞職勧告後の辞職による選挙で任期が07年までしかない
  今回のケースは事情が異なり、今の路線を続けるかどうかだったはずだ。そこに
  正面から挑むことができなかったことが、自公(社民も含む)の敗北になったのでは
  ないだろうか。

【2】朝日新聞の世論調査で、首相の靖国神社参拝継続に賛成・反対ほぼ同数(11/30)
 ・日中首脳会談で中国側が小泉首相の靖国参拝をやめるように求めたが、
  中国側の主張を当然だと思うか?
  「当然」30%、「そう思わない」57%
 ・首相は靖国参拝を続ける方が良いか? 
  「続けた方が良い」38% 、「やめた方が良い」39%
 ・北朝鮮にどのように対応すべきか?
  「対話を深める」26%、「経済制裁などの強い態度で臨む」65%
 ⇒これらの結果を見ると、日本人が中国や北朝鮮に対し、かなり冷ややかな感情を
 持っていることが感じられる。
 中国に対する不信感を背景にしているとはいえ、靖国神社参拝賛否がほぼ同数と
 いうのは非常に意外だ。
 靖国神社にはいろいろな問題があり、国内問題としてもきちんと考えておく必要がある。
 @靖国神社は、もともと戊辰戦争以降の天皇方の戦没者を祀るためにできており、その後、
 国家神道の中心的存在となった。A現在はひとつの宗教法人、 B1978年にA級戦犯を
 合祀。中国は主に3つめのA級戦犯も祀られていることから、アジアとの戦争を肯定する
 ものだとして批判している。私は、ここに書いたことの前に、’国家のために死んだ’場合、
 国家の関与する施設で祀って欲しいと国民は本当に考えているのだろうか、という疑問が
 ある。それは、あくまで、祀って欲しいと考えるものだというフィクションではないだろうか。
 つまり、このような施設を求めるのは、国家であって、ひとり一人の人間ではないのでは
 ないか。ここを突き詰めないと、国内問題としての靖国問題は解決しないだろう。

【3】犯罪被害者基本法と刑法重罰化法案が成立(12/1)
 ⇒この数年、加害者の人権はあるのに、被害者の人権は守られていないということが
 報じられることが時々あり、それを受けて、議員立法として提出された。この基本法は
 理念を定めたもののようで、具体的なことはこれからのようだ。
 ⇒凶悪犯罪が目立つことや、性犯罪の罰則が低いことなどから、有期刑の上限の長期化
 を決めた。このような見直しは刑法が1907年にできてから初めてだそうだ。ただ、最近の
 犯罪は、犯人が自分自身をすら大事に思う心がない場合が目立ち、重罰化で再犯をどれだけ
 防げるかには疑問がある。

【4】長射程誘導弾研究 次期防から削除(12/3,12/8)
 ・防衛庁は、敵国への攻撃能力を持つ、長射程精密誘導ミサイルの研究着手を、中期防衛力
  整備計画(次期防)の案に入れていた。射程は数百キロを念頭に置いている。自民党は基本的に
  了解した(新聞記事では、理解を示した)が、公明党が、「十分な国民的議論がない」として、
  反対し、削除されることになった。
 ⇒「十分な国民的議論がない」というのは、もう少し前に提示していたら理解を示せたのにという
 意味にも取れるので、理由は感心しないが、とりあえず、公明党も役に立つことがあるんだと
 思った。もっとも、自民党も本気で公明党を説得する気はなかっただろうけれど。

【5】「対人地雷禁止条約」再検討会議閉幕(12/4)
 ・条約加盟国は144ヶ国
 ・中国(1億1千万個の地雷保有)、露(5千万個)、米(1千万個)、インド(500万個)は
  未加盟。
 ・今後5年間の行動計画を採択。貯蔵地雷の廃棄を終えていない17の加盟国は4年以内に
  廃棄を終える、等
 ⇒何となく、発展の遅れている国が地雷を持っているのかと思っていたが、中国、アメリカ、
   ロシアが多数を持ち続けている。

【6】EU 対中国武器禁輸 解除見送り(12/4,12/9)
 ・1989年の天安門事件を契機に、EUでは中国への武器輸出を禁止してきた。
 ・中国から、「一種の政治差別であり、時代遅れだ」として、解除を求めてきた。
 ・独仏など中国との関係を深めたい国は、「輸出の中身、数量の管理体制を強化」
  したうえで解除したい意向。
 ・実際は、かなり輸出されているのが実態。
 ・しかし、今回のEUと中国の首脳会議では、管理体制が整っていないことを理由に
  解除は見送られた。
 ⇒おそらく、今後の近いうちに、禁輸解除になるのだろう。台湾には、アメリカがミサイルや
   戦闘機を輸出し、フランスも潜水艦や戦闘機を売り込んでいる。お金を持っているアジアの
   国々は、軍事先進国にとって格好のお客さんになっている。そして、軍事的な緊張が
   高まっていく。

【7】恥ずかしい福井駅
 ・与党は、整備新幹線の3区間の来年着工を決定。事業費1兆2千億円
 ・北陸新幹線は、富山−金沢間で着工。開通は約10年後。なぜか、同時に、新幹線の線路の
  ない福井駅の駅舎工事も着工。
 ⇒福井県には母の実家があるので、昔からよく行っている。そこで、線路がいつできるかの
  目処のないうちに駅を先に100億円で作ることを決めた。おそらく駅ができた後は、「線路を
  引かないと駅に費やした費用が無駄になるではないか」という理屈を使えるということで
  福井県の国会議員は大きな顔をしているのだろう。なんとも恥知らずなことだ。
  これを決めたのは、与党の整備新幹線検討委員会のワーキンググループだそうだ。誰が
  メンバーかを書こうとして今、調べてみたが、現在のメンバーがわからなかった。ここのメンバーは
  信用してはいけない。
  
●米IBM パソコン事業を中国 聯想に売却。(米IBMは世界3位だが、シェアは5%程度)