最近のニュースから(11/15〜11/20) :2004.11.20
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この1週間の新聞記事から、覚えておきたいことを記します。
【1】イラク情勢
・ファルージャを米軍がほぼ制圧したとの情報と、まだもう少し時間がかかるという
情報の両方がある。
・イラク赤新月(赤十字:イスラム圏では十字はキリスト教との関係で使わない)が
市街地での活動を米軍に拒否され、援助に行けない状況。
;病院も破壊されているなので、けが人は治療を受けられない
・米海兵隊がモスクにいた負傷イラク人を射殺。
;このことに対する反発があり、米軍も調査するらしい。
・武装勢力には外国人わずか。
;イラク暫定政府の内務相が上のように語ったそうです。この記事は非常に小さい
扱いでしたが非常に重要です。それは、ファルージャが外国から入ってくるテロ集団
の拠点になっていると米国は主張していたからです。
攻撃から直ぐに、ザルカウイはファルージャにいないと発表され、いったい米軍は
誰と戦っているのでしょうか。
【2】フィリピンとFTA(自由貿易協定)締結へ
・日本のFTA締結は、シンガポール、メキシコに次いで3番目。その中で今回初めて、
「労働市場の開放」が盛り込まれた。(もちろんまだ限定的)
フィリピンは、看護師、介護士の市場開放を要求していて、日本は、日本の資格取得を
条件に受け入れる方向。
・今、日本には76万人の外国人労働者がいて、約29万人が不法労働者だそうです。
また、日本政府は、単純労働者の入国を原則認めていないが、60万人近くが単純
労働者。
【3】英国兵士の湾岸戦争症候群
・英国の独立調査委員会(非公式)は、「英国防省は湾岸戦争症候群の存在を認め補償
すべき」との勧告を出した。英国防省は、症候群の存在を否定している。
湾岸戦争症候群は、従軍した兵士の多数が訴えている病気や体調不良の症状で、ワクチン
注射(化学兵器対策)の後遺症や、駆除剤、低レベル神経ガス、劣化ウランの影響などが
関係している可能性が指摘されている。累計5万人中6千人が症状を訴えている。
【4】スーダン内戦に関する国連安保理の公式協議開始
・スーダンでは、アラブ人のイスラム原理主義政府と、キリスト教系黒人の反政府勢力との
間で21年間内戦が続いている。
【5】ロシアのプーチン大統領 新型核戦力を数年以内に実戦配備すると語る
・具体的な内容はなかったようだが、最近、ICBMの改良型の弾頭の試射に成功するなど
ミサイル開発の動きが活発化しているらしい。
;ロシアの軍事のニュースの扱いは小さいけれど、どうも米国の動きに刺激されて、
軍事強化の方向に向かってしまっています。
【6】農地変革(企業の参入)
・一般企業による農業経営が05年度にも認められる見通しらしい。
・農地面積は、60年に607万haだったのが、03年には474万haに減少
・耕作されていない農地面積は、東京都の面積の1.5倍もある。
・368万人の農業就業人口のうち、65歳以上が207万人を占めるという異常状態。
●「ミサイル防衛」とそれに関連させた「武器輸出三原則見直し」の話がいよいよ
本格的に進められようとしてきています。これについては、別に書く予定です。
●また、時期を同じくして、自民党憲法調査会がまとめた「憲法改正草案大綱の
素案」(まわりくどい表現ですがそう書かれています)も発表されました。
憲法は、政権が変わっても、これ以上はできないという制限を加えるものですので
例えば、アフガンやイラクの空爆に加わることができるようにするのか、それとも
どんな政権になっても、それはできないようにしておくのか、というような判断が
個々の条文に対して必要になってくると思います。
「自衛のため」「国際貢献のため」という文言の制限では決して止めることはでき
ません。