参議院選挙結果の見方 :2004.7.26
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7月11日に参議院選挙が行われた。奈良県選挙区で応援した前川氏が
当選し、その点については非常に良かった。
ただ、結果全体を見ると、必ずしも僕にとって良い結果だったとはいえない。
(以降で説明します。)
政党別に結果をまとめると次のようになる。 カッコ内は改選時議席数
自民党 49 (50)
公明党 11 (10)
民主党 50 (38)
共産党 4 (15)
社民党 2 ( 2)
●この数字を見て、「与党は議席を保持。野党の中で共産党の議席を
民主党が奪った」ということであり、与党としては負けていないことを
はっきり認識する必要がある。
もちろん、3年前の選挙と比べると獲得議席は10以上少ないし、6年前には
公明党と連立を組んでいなかった自民党が、公明党票を得ながら一人区で
13議席を落とすことになったことに弱体傾向を読み取ることはできるだろう。
しかし、それでも負けたとは言えない。
また、民主党の大躍進も事実である。10以上の増加は非常に劇的な変化と
いえる。しかしながら、地方区の複数区で共産党を破っての当選も目立った。
●さて、今回の選挙の争点は何だったのだろう。最大のテーマは「年金改革」と
いうことになっている。しかし、民主党案が優れていると判断して投票した人は
全体から見れば微々たるものだろう。与党が負けなかったことも併せて考えると
与党の通した年金法案が国民に否定された訳ではない。
2つめの争点と言われた「イラクの多国籍軍への参加表明」問題に関しては
自民党、民主党ともに積極的に争ったように見えないし、社民党・共産党が
重点を置いたけれど、社民党2議席、共産党4議席と惨敗した。(社民は現有
保持ではあったが。)
したがって、結果論としては、最大のテーマは、2大政党に進むかどうか、
言い換えれば、民主党か、社民党・共産党か、という選択選挙だったのでは
ないだろうか。
そして、社民党・共産党が差別化の意味で掲げた多国籍軍への参加問題が
全く国民の支持を得なかったわけである。さらに環境を掲げた「みどりの会議」も
全く駄目だった。
●民主党が、自民党、公明党を破っての躍進であれば非常に喜ばしい。けれど
実態は異なっており、保守層の広がりだけが目立っている。
選挙における選択肢が急激に減る状況が続いている。民主党の保守化を
防ぐ方向を見出すか、別の勢力に期待するか、僕と民主党との距離感は
前川氏の当選だけでは縮まらない。