年金問題 :2004.7.15
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   年金をもらえるようになるには、まだ20年以上あり、40代になった僕でさえ
   根本的な関心をもっておらず、このままいった場合、どの程度の年金額に
   なるのかということもほとんど知らない。多くの国民が僕と同じレベルでしか
   理解していなかったのだろうと思う。
   先に通った年金法案では、今後14年間保険率が上がり続け、一方給付は
   20年続けて下がっていくらしい。しかも前提となっている出産率が既に実際より
   高く見積もっているということで、算出条件が崩れている。普通なら、いくつかの
   条件でシミュレーションし、この場合ならいくら、別の場合ならいくらというように
   算出するはずだが、そういう計算は公開されないようだ。そして不信感を抱いた
   ままでの議論が本質を見誤らせる。
   ただ、今回書きたい内容はそれとは異なる。

    参議院選挙に奈良選挙区から立候補した前川清成氏を応援していることは
   HPのトップページに書いた。その後援会総会が選挙戦前にあって、そこで応援に
   菅直人氏が来て15分程話をした。そこでの話で、年金の話だけが記憶に残った。
   菅氏はある僧侶が「年金なんてなくせばよい」と語っていたという話を紹介し、「今の
   年金の議論は誰が得をするとか損をするという話ばかりで、本来、今まで頑張って
   きたお年寄りを敬い、助け合っていくというのが、年金であったはずなのに嘆かわしい」
   というのがその真意だろうと解説した。菅氏はそのくらい基本に戻って議論することが
   必要だという形でその話をまとめたように思う。

    僕は、菅氏の指摘に賛成する(代表の時にそういうことを言っていたのかどうか
    記憶にないが)。支払いに比例した給付というのは、そもそもの福祉の考えに反して
    いないか。「保険」という枠があるからそういうものだという考えもあるが、それなら
    その枠をはずしても良いと思う。支払いに比例した年金は、民間に任せても良いし
    もし比例部分を残すにしても、比例係数を非常に小さくし、支払い額が給付額を
    上回っても構わない制度にしておくべきだと考えている。
    したがって保険料という形でなく、税金でまかなって良いと思う。この年金問題は、
    各人の得や損の議論でなく、セーフティネットの一貫として考えていく必要があり
    その考えを進めることにより、住み良い社会が生まれてくるのだと思う。

    (補足)
    新聞記事に、想定より早く死んでしまう場合の保障が、生命保険で、想定より
    長く生きてしまう場合の保障が年金だという解説があった。少し寂しい解釈の
    ような気もするがわかりやすいように思う。