5月の皇太子発言について :2004.7.1
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  皇太子が5/10の記者会見で、「それまでの雅子のキャリアや,そのことに基づいた
 雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です。 」と語り、穏やかでない
 発言だったことから騒ぎとなり、約1ヵ月後に文書で説明した。文書の内容は、具体的で
 なく、雅子さんの回復にかなり時間がかかりそうだということがわかる程度だった。
 それを読んだ後、誰が悪いというような話をする必要はないが、文書を公表するのであれば、
 もう少し具体的に書かなければ、国民には理解されないのではないかと感じた。
  それから3週間くらい経過したが、週刊誌の見出しなどを見ると、話題としては継続して
 いるようだ。僕は以前は天皇制に反対だったし、今も基本的には皇室は無い方が良いと
 思っているが、世界で国王がいる国といない国でそれほど大きな差があるように感じ
 ないこともあって、最近あまり考えることもなかった。しかし、今回の騒動を見ると、皇族が
 国民でなく、そのために基本的人権の対象ですらない状態ということが異常なことに思えて
 きた。以前は特権階級のように見えていたものが、逆に、権利を失った人達と見えてくる。
  今後の憲法論議で天皇制が議論の中心に挙がる可能性は今のところ少ない。しかし、
 国民でない特別な(特権階級かその逆かは別にして)人がいて良いのだろうかという素朴な
 ところから考え直すきっかけを5月の皇太子発言が与えたかもしれない、と僕は少し期待
 している。