「日本人の本音が変わった 新しいリベラルの可能性」(橋本努さん 6/18りっけん塾講座) :2026.6.23
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6月18日にりっけん塾の連続講座2回目をWEB聴講。講師は北海道大学教授で「新しいリベラル」著者の橋本努さん。

著書「新しいリベラル」には、従来型リベラルと新しいリベラルの違いを下記の3点で説明している。
@従来型のリベラルは「弱者支援」型の福祉政策を支持するのに対して、新しいリベラルは「成長支援」型の福祉政策を支持する。
A従来型のリベラルは高齢世代への支援を重視するのに対して、新しいリベラルは子育て世代や次世代への支援を重視する。
B新しいリベラルは<戦後民主主義>的な論点には強くコミットしていない。

新しいリベラル層に支持を広げる、ということが一つの方向性なのだろう。ただ、そうは言っても「弱者支援」は大切で、政治が優先的にすべきことは人気がなくてもやらなくてはいけない。

【概要】
・新しいリベラルを可視化するために、2022年7月の参議院議員選挙直後に調査を実施。
・調査結果から6つの政治的価値観に分類できた。
 
「従来型リベラル」18%、「新しいリベラル」23%、「成長型中道」13%、「福祉型保守」16%、「市場型保守」9%、「政治的無関心」20%
新しいリベラルは、子ども・孫世代を重視し、子育て支援や教育の充実を求める。日米安保・従軍慰安婦に関する関心は平均的。非核三原則や多様性は重視
・新しいリベラルは、若者層(40代未満)の割合が高い。
・マイケル・フリーデン「リベラリズムとは何か」(ちくま学芸文庫):リベラリズムの歴史的変遷・思想的広がりを5つの層という視点から捉える。日本に当てはめると、第1層:平和リベラル、第2層:福祉国家/再分配リベラル、第3層:市民主義(自治体中心)、第4層:多様性リベラル、第5層:社会的投資リベラル=新しいリベラル。今後は環境リベラルへの展開を予想。
・自分の政治的立ち位置をリベラルと答えるのは15.2%。大きい政府/小さい政府というのは既に論点ではなくなっている(立ち位置による差がない)。
・強いリベラル層は2%くらい。強いリベラルはラディカルで批判されやすい。でも実際は少ない。多くのリベラルが可視化されていない。

・若者は保守化していない。外国人への意識・ジェンダー観・多様性に関する意識調査では、他の世代よりリベラル(進歩的)な傾向。ただし、中国に対しては排他的。立憲の支持も少ない。
・低所得層、不安定就労層は必ずしも立憲民主党を支持していない。
・2024年兵庫知事選:斉藤元彦(得票率45.2%)県庁舎建て替え規模縮小などの「行財政改革」、高校授業料無償化などの「子育て・教育支援」、「県立大の無償化」・・・新しいリベラルの主張。
・東京都知事選:小池百合子(得票率42.77%)新築住宅への太陽光パネル設置義務化に候補者で唯一賛成・・・新しいリベラルの主張。石丸伸二(24.3%)高校授業料実質無償化にやや反対・・・新しいリベラルとは異なる。
・新しいリベラルの投票先
 2019 安倍政権「教育無償化」
 2023 維新の会「高校の授業料無償化」に力を入れる
 2023 岸田政権「異次元の少子化対策」として3年で3.5兆円
 2024 石破政権は次世代支援のビジョンを語らなくなる。
 2026 維新は連立政権後には次世代支援をあまり語らなくなる
     国民民主、中道、わいわ、社民が政策のトップ・スリー/フォーに次世代支援を掲げる
     共産党は掲げず。次世代支援を前面に掲げた「チームみらい」は躍進。
     高市政権は次世代支援政策を掲げなかったが、長期的投資(ペロブスカイト太陽光発電や海底レアアース)に新しいリベラルは期待を抱いたのでは。

・従来型リベラル+新しいリベラルの政策:
@生涯教育バウチャー制度
 *大学授業料無償化は大学に行かない人に関係ない。そうではなく普遍的に機会を提供する。
A次世代支援
 *子育てした方が可処分所得が増えるような仕組み
B健康立国:長寿化と健康の技術に投資し格差を是正
C環境技術立国