理解できないこと(下市町教育委員会) :2009.7.3
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  奈良県下市町の中学生の入学をめぐる教育委員会の対応は全く理解できない。
  この問題は、脳性まひの障害で車いす生活を送る奈良県下市町の中学1年の
  女の子が町立中学への入学を認められなかったというものだ。
教育委員会が
  受け入れを拒否したのは、階段が多く危険という理由だった。
  義務教育である公立の中学校が入学を拒否するというのは大変なことだ。この
  ことだけでも、下市町の教育委員会の見識を疑ってしまう。

  少女の両親は、入学が認められなかったのは不当として、奈良地裁に入学許可
  を求めて申し立てを行い、奈良地裁は6月26日、申し立てを認める決定をした。

  決定理由として裁判長は、「職員が移動を介助したり、階段や段差を回避して
  移動させたりする方法が考えられる」と指摘し、「改善の余地を検討することなく
  入学不許可を決めたのは、裁量権を逸脱した違法な判断だ」とした。(奈良新聞より)

  当たり前だ。バリアフリーになっていないから入学を認めないなどという理由が
  いまどき認められて良いわけがない。

  この決定により、教育委員会は仮入学を認め、少女は今日から中学に通い始め
  たそうである。
  しかし、町教育委員会は奈良地裁の決定を不服として、高裁に抗告している。
  高裁で逆転決定が出ることはないと思うのだが、もし逆転決定が出ると、入学が
  取り消される可能性もあるらしい。

  学校に来たいと言っている少女をなぜそこまでして拒否しなければならないのだ
  ろう。障害があっても普通の中学に行けるならそれが良いことだとなぜ思ってあげ
  られないのだろうか。それが教育に携わる人たちのすべきことなのか。何を考えて
  いるのか全く理解できない。
  教育委員会と共に町長の責任も重い。