民主党代表に鳩山由紀夫氏 :2009.5.16
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 今日の午後、民主党の代表選が行われ、鳩山由紀夫幹事長が代表に
選ばれた。民主党代表選挙は本来、党員やサポーターにも投票権がある
のだが、任期満了時に選挙が行われることがほとんどなく、たいていは
国会議員だけの投票で決まっている。今回も国会議員だけの投票で決ま
った。私は民主党のサポーターに登録しているが、今回も投票の機会は
得られなかったわけだ。

 今回は鳩山由紀夫幹事長と岡田克也副代表とが立候補した。
私は岡田克也氏が良いと考えていた。
それは、今の状況は、自民党、民主党とも国民からの信頼感を失っていると
いう認識からだ。
その一つは、予算の財源の話だ。
今年、国の借金は40兆円以上増える。100年に一度の経済危機だからと
緊急避難的に語られるが、借金が多いのは何も今年だけではない。
2002年から2007年までの「いざなみ景気」の時だって、毎年30兆円規模の
赤字だったはずだ。
民主党はマニュフェストを重視し、財源を明確にするという姿勢だったはず
なのに小沢代表時代に後退した。
自民党、民主党とも財源を明確にしない「ばらまき政策」になっている気が
してならない。
岡田克也氏は財源をはっきりさせようという主張を以前から持っており、
2005年の選挙で大敗したとはいえ、それ以前の参議院選挙では勝利を
収めている。岡田氏の姿勢が国民に全面否定されたわけではないだろう。
今、改めて民主党が財源をはっきりさせるという姿勢を見せることが国民の
信頼を取り戻す一歩になると思い、それには岡田克也氏が代表になることが
望ましいと考えていた。

 私は鳩山由紀夫氏が嫌いなわけでは決してない。
私はもともと「新党さきがけ」を支持していたので、さきがけ出身の議員には
特別な期待を持っている。(前原氏には違和感が大きいが)
鳩山氏はさきがけ発足時からのメンバーで貴重な生き残りなので、頑張って
欲しいと思っている。
ただ、小沢氏の政治資金問題で民主党も自民党も同じではないかと国民に
不信感を与えている時に、小沢氏の下で幹事長を務めていた鳩山氏が代表と
なることは国民の支持は得られにくいと思うし、財源の問題も小沢代表時の
考えから抜け出せないだろうと思ってしまう


 結果は124対95で鳩山由紀夫代表に決まった。
財源問題にしても、2世議員の問題にしても、政治資金問題でも、国民にとっ
ては岡田氏の方が期待度は高まっただろう。民主党は自ら非常に厳しい道を
選んでしまった。

 鳩山氏のマイナス面だけを書いたが、今日の選挙で期待を持たせる面も
あった。投票前の10分間の決意表明の話はなかなか良かったのだ。
岡田克也氏の話が少し物足りなかったためもあるが、鳩山氏の方が出来は
良かったと思う。
「友愛」というはっきりしないスローガンにビジョンが感じられたのである。
どう具体的政策に結び付けるかはまだ見えていないが、「友愛」が政策と
結びついたなら、政権交代が一層近づくことになるだろう。