筑紫哲也さん死去 :2008.11.8
トップに戻る 2008年最近の出来事
筑紫哲也さんが昨日肺がんのため亡くなりました。73歳でした。
筑紫さんの講演を一度聴いたことがあります。
多分、25年前、1983年頃だったと思います。
当時、筑紫さんは比例代表制が初めて取り入れられた参議院選挙で
小政党の応援をして、朝日新聞社から謹慎処分を受けていたと記憶して
います。
講演では、人から退社してフリーになった方がいいのではないか、とよく
言われるが、「フリーは不利」と考えているという話をされました。
新聞社の中での意見は制限を受けるが、フリーになった場合、記事を
書く場が制限されて、結局言いたいことが言えるとは限らないという意味
かと解釈しました。
でも、筑紫さんはその後1989年に朝日新聞を辞めて、NEWS23の
キャスターになりました。
今日の新聞にはNEWS23の「多事争論」のコーナーが話題になったと
書かれていますが、私はキャスターになってからの筑紫さんはバランスを
考えすぎているように感じ、あまり面白く思いませんでした。
TVの世界では言いたいことをうまく伝えられなかったような気がします。
先に書いた講演の中では、想像力の話をされたことを覚えています。
男女にしても、民族の違いにしても、その人にしかわからないことがある。
でも、人間には想像力がある。
自分にはその人のことがわからないということを認識しつつも、想像力を
働かせて考えることが重要。
そんな主旨の話だったと思います。
この話はそれ以降ずっと私の心の中に残っています。