映画「シッコ(SiCKO)」 :2008.1.21
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マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ(SiCKO)」の無料上映会が
あるとの案内を少し前にもらった。アメリカの医療問題を扱った映画ということは
知っていたが、それ以外何も知らない状態で20日の日曜に見に行った。
アメリカには国民皆保険制度がなく、民間の保険にも入っていない人が5千万人近くも
いるらしい。本作品は保険に入っていない人ではなく、保険に入っている人の問題を
描いている。
アメリカの民間会社の保険では、保険が利かない病気が多数あったり、過去にかかった
軽い病気の告知をしていなかったために支払いを拒まれるなど、保険金が出ないことが
多く、民間保険会社の利益が優先されていると言う。
また、病院が保険会社に属していて(系列があるらしい)、医者は患者にいかに保険を
使わせないかで病院から評価される。
カナダやイギリス、フランスにも出かけていき、アメリカとの対比をする。それらの国では
医療費が無料だそうだ。
イギリスは1948年に今の制度ができたらしい。それは第2次世界大戦で被害を受けた
人たちがいて、皆で助け合おうという考えが広まったからだと言う。
一方、アメリカでは9・11事件の救助に関わった消防士の人が、その時の活動が原因で
病気になっても、医療費が払えず十分な治療が受けられていない。
本映画は皮肉を織り交ぜながらアメリカの医療問題をわかりやすく描いている。
予想していたよりはるかに良いドキュメンタリー映画だった。
日本の医療費も個人負担が増えている。イギリス、カナダなどが医療費を無料にできて
いることは初めて知った。私は保険や税金を高くしても社会保障を充実させるべきと
考えている。まだまだ参考にできる他国は多くあるようだ。
この映画を見て、他の国の社会保障制度についてもっと知りたくなった。