香山リカさん講演会(1月13日) :2008.1.14
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 昨年はあまり講演会に参加していなかったので、今年は人の話を聞く機会を
 増やそうと思っています。
 先週たまたま図書館に行ったとき、入り口近くにこの講演会のパンフレットが
 置いてあり、休日でしかも無料ということで聞きに行くことにしました。

 テーマは「現代人の”心の病”をみる −自己実現への光と影−」
 奈良 人権・部落解放研究所 主催で、人権啓発リーダー養成講座の公開講座と
 いう位置付けだったそうです。
 香山リカさんは最近新書等を多数出版されていて、僕は一昨年「いまどきの
 常識」(岩波新書)を読んだことがあります。今回の講演では精神科に診察に
 来る人たちの話を中心に約1時間半講演された。質疑応答は無し。

 (内容)
 精神科医になって22年になる。22年前と比べると精神科への関心と理解は進んだ。
 精神科に来る抵抗は少なくなったようだが、心の病に苦しむ人は増えているように
 思える。診察していて最近次のような方が増えている。
  @介護ストレス
   この中には30代で祖父母を介護している人も含まれる。50代の母親は仕事を
   持っていて、30代のフリーターの人が介護をしている。そして定職をさがすことが
   できず、家族のためと自己実現の狭間で苦しんでいる。
  A学校の先生
  B子ども (小中学生も増えている)

 6年前から東京の診療所にいる。何不自由なく暮らしているように見える人にも充実
 感を感じられない人がいる。一般的に「自分らしさ」という場合に、特別なことを考え
 すぎていることが多い。それに過去の特別な良い出来事を今と関係ないのでなかった
 ことと思っている人もいるが、自分の一部として目を向けるべき。 一方で、過去の
 失敗経験はよく覚えていて、現在や未来と結びつけ、だから自分は駄目なんだという
 物語を作ってしまう人もいる。このような暗示をかける人は真面目な人が多い。
 大学では60点で単位が取れる。人生もだいたい60点くらいでまあまあできたと
 思ってもいいのではないか。自分に対して60点くらいでいいやという優しさが周りの
 人に対する優しさにも繋がると思っている。

 (感想)
 かなり期待していただけに少し期待はずれだった。特に前半は退屈で眠くなった。
 介護ストレスに苦しむフリータの話など、あまり知られていないけれど最近増えている
 事例をもう少し話してくれると良かったのに、と思う。
 講演の中で最後に出てきた「60点くらいで良い」という話は僕は好きだ。