畝高 甲子園出場か? :2007.12.16
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 来春の第80回選抜高校野球の「21世紀枠」候補校が発表され、
奈良県立畝傍高校が近畿地区代表として推薦された。
全国9地区の候補校から3校を選ぶので、まだどうなるかわからないが、
33%の出場可能性がある。
畝傍高校は私の出身校である。甲子園に出たことはない。私が卒業した
翌年、夏の予選で決勝まで進んだが、智弁高校に惜敗した。
たぶん、そのときが一番甲子園に近づいた瞬間だったのだろう。それ以降、
1回戦か2回戦くらいで負けることが多い。
今年は秋の県予選で8強入りしたとはいうものの、優勝にはあと3回勝たなく
てはいけなかったわけで、甲子園にはまだまだ遠い。
監督も「実力は全国レベルに達していないが、これから全国レベルに近づく
ようがんばりたい」とコメントしており、実力がないことを認めている。

それがなぜか甲子園に出場する可能性が生まれた。

今回推薦された理由は、創立111年の伝統校で、他の部とグラウンドを共有
しながら工夫して打撃練習していることが評価されたらしい。
でも、そういう姿勢を評価するのは、恵まれない環境で練習している高校生が
実力を身につけた時のはずだ。
実力はまだまだ不足しているのに、恵まれない環境で練習しているという理由
で甲子園に出場させようというお情けはおかしいのではないか。
選ばれなかった高校は、もっと恵まれない環境で練習しておけば出場できた
のに、なまじっか環境を改善したから甲子園に行けなかったということになる。

また、実力以外で選ぶとなると、選出する側の主観で選ぶことになる。
そうなると、選考する人の出身校や他からの圧力も要因に加わってくる。

もともと、選抜大会は選考基準があいまいなところがある。しかし、近畿大会にも
出場していないチームが出場することになると、近畿大会に進んで甲子園に出ら
れないチームに不満が出るだろう。
こんな制度で甲子園に出ても、出場する選手は恥ずかしく申し訳ない気持ちに
なるのではないか。
誇りを持てない制度はすぐに廃止すべきだ。