情けない地方政治の現状 :2007.12.16
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 10日ほど前に体調を崩し仕事を休んだ。少し回復した時にTVをつけると、
たまたま奈良TVで県議会を放送していたのでしばらく眺めていた。
荒井知事が答弁をしている場面だった。ぼそぼそとしゃべっている。
下を見ているので書面を読んでいるのだろう。書面を読むのが良いのか
どうかは別にして、読むにしてももっとしっかり読め、と言いたくなる。
何かを伝えようという意欲も誠意も全く感じられない。
荒井知事の話している場面を他でも少し見たことがあるが、その際もボーっと
した話し方で何か伝えようという意欲が全く感じられなかった。
まして、今回見た場面は棒読みである。以前に増してひどかった。
案の定、TV放送しているのに寝ている議員が多いし、そもそもメモを取って
いる議員は一人も見当たらない。この不毛な時間は一体何なのだろう。
いくら何でもひどすぎる。やる気のない知事と、その知事を支持する議員。
それを放置する県民。私も含めて情けなすぎる。


 大阪府知事選挙もおかしなことになっている。おかしな最初は、太田知事の
不出馬表明だ。
親類宅を事務所として登録し事務所費を計上していたことや、中小企業経営者
向けの講演で高い講演料をもらっていたりしたことから、太田知事に批判が
起こった。それに対する反省が見られなかったことから批判が強まり、自民、
公明、民主のほか、連合も推薦しないことを決めた。
政党や支持団体からの支持を失った結果、太田知事は不出馬を決めた。
批判は府民の間でも強く、それに反応した政党が不支持を決め、さらに
政党不支持を見た連合が孤立を恐れて同調したという形のようだ。
そういう意味では府民の考えが反映されたかにも見えるが、知事は府民の
反応より政党、支持団体の推薦がもらえるかを重要視していたように思える。
しかし、府民の支持があるかどうかより、政党や支持団体第一というのは
どうなのだろうか。政党に嫌われたらお仕舞いなのか。府民より政党の方を
向いて行政を行っていくのが知事の役割なのか。大阪は政党主導を嫌う
土地柄かと思っていただけに、太田知事の判断の仕方に疑問を感じた。

 さて、太田氏の不出馬決定後、しばらくして橋下弁護士の名前が挙がった。
私はTVで少しだけ橋下氏を見たことがあるが、なるほどと感心したことは一度も
ない。受け狙いの発言だけが印象に残っている。
TVで知名度のある橋下氏を自民党が引っ張り出したようだが、本当に最後まで
橋下氏を支援するつもりかどうかはわからない。誰も橋下氏の人格や手腕に期待
して推しているわけでなく、勝てそうだからという理由だけだ。
民主党は大阪大学の熊谷教授を立てるようで、自公と民主の対決になるように
報じられている。でも、地方では勝ち馬に乗ろうとする傾向が非常に強いので、
本当に対決になるかはまだまだ不明な状態が続くのではないだろうか。

 奈良県の状態を見ても、知事の選出は非常に大切だ。政党に乗せられて出馬
するだけでは大したことはできないだろう。両者とも今までそれほど府政に関心が
あったとは思えないだけに、そういう思いを強く持つ。