「政党ビラ配布 逆転有罪」に怒り :2007.12.12
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 ビラ配布で住居侵入罪に問われた被告に対する控訴審での判決が出た。
1審・東京地裁では無罪判決だったのに対して、東京高裁(池田修裁判長)では
逆転有罪となった。
 ビラ配布で逮捕された事件は、立川反戦ビラ事件とこの葛飾政党ビラ事件がある。
ともに控訴審での逆転有罪判決となった。

 私はビラのポスティングを自分でも行なうので、事件発生以来、この問題は非常に
気になっている。別にビラを配るから捕まるわけではない。逮捕したい人がいれば
ビラを配っているときを狙えばよくなったということなのだ。マンションだけでなく、
一軒家でもポストが門の内側にあって敷地内に入ってポストに入れる場合、住居
侵入罪になり逮捕されるかもしれない。そして数十日も身柄を拘束されるのだ。

 今回の事件を「政党ビラ配布」と呼ぶのは適切でない。共産党ビラ配布だから
捕まったのである。自民党のビラでも公明党のビラでも捕まることはない。おそらく
民主党でも捕まらないだろう。捕まえて有罪にすると、警察官、検察官、裁判官の
将来の処遇に差しさわりが生じるのだろう。そして、おそらく、共産党員や反戦活動
をする人を押さえ込むと褒めてくれる人がいるのだろう。

 事件に対する政治の側の反応は非常に鈍い。民主党は自分たちは体制派で、
共産党のような反体制派ではないから大丈夫だと安心している。だから、こういう
事件があっても声明を出すこともしないし、出す気もない。

 私たちが世の中を動かそうと考え、一般の多くの方に何かを伝えようと思うと、
考えを書いたものを配らなければならない。ビラの各戸配布という手段がなくなったら
考えを伝えることはできない。私はこんなことで有罪になる社会は間違っていると
思う。