全国学力調査 :2007.10.26
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4月に行なわれた全国学力調査の結果が新聞に載っていた。また、小6の娘も
結果と問題用紙を持って帰ってきた。問題用紙は試験後回収され、結果と一緒に
半年後になって返却された。半年前の試験を返されてもどうしたら良いの、という
声もあるようだ。まあ、内容が良ければ後からでも役立つことはあるだろうと思って
算数の問題の中身を確認してみた。
算数Aが「知識」を問う問題で、算数Bが知識を「活用」できるかを問う問題らしい。
算数Aは基本的な計算や面積の問題だ。たぶん、それほど学校でやっている問
題と変わらないだろう。一方、算数Bは少し変わっている。「なぜ」という問いが複数
あるが、答えとして求めている「なぜ」のレベルがわかりにくく、何が正解なのかわか
らない問題もある。
例えば、問題1(3)に次のような問題がある。
「下の図イ、ウ、エ、オは、たてが6m、横が9mの長方形の形をした花だんです。
この中に、たてが3m、横が5mの長方形の■の部分があります。
図イ、ウ、エ、オの白い部分の面積は、図アの(*)の部分の面積と同じになり
ます。なぜ、面積が同じになるのですか。そのわけを、言葉や式や図を使って
書きましょう。」
(*)には、6×9の長方形の角から3×5が除いた形が書いてあり、図イ、
ウ、エ、オは6×9の長方形の中の別の部分に3×5の長方形が入っている。
式で書けば、6×9−3×5 で良いのだろうが、問いは「なぜ、面積が同じになるの
ですか。そのわけを、言葉や式や図を使って書きましょう。」である。
同じ式で表現できるから、というのは数学的には正しい。でも、見ただけで同じ面積と
わかるのに、それでも「なぜ」と問われたら、同じ式になる理由を書かなければいけ
なくなる。そう思って深みにはまった子供もいたのではないか。いたなら可哀想だ。
こんな問題で「なぜ」なんて追求するのは無意味だ。単に面積を答えさせれば良い
だろう。
「なぜ」という問いのレベルは人によって異なる。例えば、上記の面積を学校で間違
えた生徒が「なぜ、面積が同じになるのですか」と聞いてきたとする。そこで、「同じ式
で計算できるから」というのは答えとして適当だろうか。なぜ同じ式になるのかを
説明しなければ答えたことにならないだろう。
「なぜ」に答えるのは決してやさしいことではない。
なお、出題の趣旨を見ると、「条件を変えた複数の図形で,面積が等しいことの理由を
説明することができる」となっている。
正答例は「すべて6×9−3×5の式で白い部分の面積を求めることができるから」という
能天気なものだった。
ちなみにこの問題の正答率は68%である。